アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜
    〜第30話 安らぎの一時〜
    試合や抗争という柵から解放されている一同。この時ばかりは役割など捨て去り、一同は
   一時の休息を満喫している。
   その中で以前までは見掛けなかった行動を行うのが多い。特に仮眠する者が多く、全体の7割
   以上は夢の中へと旅立っている。

    その他で目立つのは食事であろうか。直ぐに消化されるという設定を耳にした面々、大食い
   をしてまでその満腹感を味わっている。普段できない事をここで実現させているのだ。
   シャワーを浴びる面々も多いだろう。この場では発汗などは気にも留めないだろうが、幾分か
   現実味を帯びだしているのなら話は別だった。
    本編での設定では入浴をこよなく愛するロスレヴのユキヤなど、この休憩時にほぼ全員が
   1度はシャワーないし入浴を行っていた。

    もはや仮想空間の展開とはいかなくなったアルエキファイタ。時間が経てば経つほど現実味
   を帯びだしてきだしたのだ。

ライア「あと2人前お願いします。」
    本編では4児の母親であるライア。本編の流れを組む彼女は無類の大食いへと進化した。
   摂取後直ぐさま消化という環境を利用して、これでもかというぐらい食らっている。
ゼランH「すげーな嬢ちゃん、俺も負けてられないな。」
   こちらも本編では無類の大食漢であるゼランH。ディルヴェズやヴァルラームを驚愕させる
   その食べっぷりは、敵うものがいないと太鼓判が押されている。
   ライアの大食らいに便乗して、ゼランHも凄まじい大食いを展開しだした。その様は異常とも
   言えるものだろう。
ミスターT「いくら直消化といっても、あまり無理無茶はするな。」
ゼランH「だってマスター、本編では考えられない事じゃないですか。食うために資金を稼がなく
     ても、ここでは無限大に食事が取れる。これほど嬉しい現実は他にはないですよ。」
ミスターT「何とも・・・、娯楽施設でも作ったら試合どころじゃなくなるな。」
   先刻一同と同じく食事を取ったミスターT。しかし現実と同じく、一定の摂取で終えている。
   今はコーヒーを飲みながら、その凄まじい食いっぷりを展開する2人を見守った。

ミスターT「この現実味を帯びる行動は入れるべきだったのかと悩んでいる。」
ゼランH「もち入れるべきですぜ。ただ試合ばかりだけじゃつまらない。」
ライア「生き抜きも大切ですよ。それが次の試合へ続くネタにもなりますし。」
    一同があまりにも息抜きしすぎている現状を見て、ミスターTはその行動が正しかったのか
   と本音を漏らす。それに正しいものだと断言するライアとゼランH。
   その他の面々にも同じ問い掛けをしても結果は同じであろう。それを無意識に感じ取った。
ゼランH「食い終わったので仮眠してくらぁ〜。」
ミスターT「ハハッ、程々にな。」
   自由な行動を満喫しているゼランH。食事を取ったら眠くなるのが定石、彼はセオリー通りに
   動いている。
   対するライアは模擬試合の企画を考えつつも、今度はサラダなどの軽食を取っていた。
ミスターT「現実なら太ると心配するのだが、この場では無用の考えだな。」
ライア「まあっ、私はレディですよ。一応は弁えて下さい。」
   女心に触れた言葉が飛び出し、ムッとふくれるライア。悪かったとその肩を叩くミスターT。
   その行動にニヤケ顔になる彼女を見る限り、この不貞腐れは表向きであろう。
ミスターT「女性は母親になる事で強くなる。その行動を現実に示したのがお前さんだろう。」
ライア「ですね。メルアさんやレイスさんが強いという理由が分かりました。」
ミスターT「本当はあの行動を追加するのは考えものだったのだが、これも師匠の影響を受けたのが
      踏み切った理由だ。」
ライア「そうだったのですか。」
   男女間の関係を最初に表したのがリタレヴであろう。それまでは恋心を抱くなどの行動は存在
   しても、それ以上の発展はなかった。この壁を破ったのがライア達である。
ミスターT「今後新規に作るストーリーやアレンジする際は、これらを取り入れるだろう。ごく自然
      で当たり前の行動だからね。」
ライア「マスターも大変ですね。」
   ミスターTの本当の存在はストーリークリエイターだ。この場に集った面々はエキプロという
   世界観に基づいて存在している。それを省けばそれぞれの陣営に戻るのは言うまでもない。
    ある程度ストーリーが決まっていたり完成している者達はいい。問題はまだ何も作られて
   いない面々だ。エキプロという世界を用いてレスラーとして誕生しただけという者もおり、
   それを踏まえるとストーリーが決まっている面々は贅沢極まりなかった。
ライア「まあでも、全ての一存はマスター次第。私達はこの場に誕生させて頂いた事を強く感謝する
    べきでしょう。理由はどうあれ、存在できるのは幸せな事ですから。」
ミスターT「そう言って貰えると嬉しい限りだよ。」
   右に左にと行うべき行動が山積みのミスターT。創生者としての行動も必須だが、一同と同じ
   存在でいたいというのも事実だった。それ故にこの場が設けられているのだから。

    会話に明け暮れる2人の所に忍び寄るターリュSとミュックS。その殺気を感じ、慌てて
   その場から遠のくミスターT。次の瞬間彼がいた場所にダブルクローズラインを繰り出して
   きたのだ。
ターリュS「やっぱダメか〜。」
ミュックS「ちょっとやそっとじゃ不意を突けないじぇ。」
ミスターT「何を期待していたんだか・・・。」
   この2人の考えは予測不可能と呆れ返る。一部始終を目撃したライアも驚いており、その勢い
   の強さは誰も敵わないだろう。
ターリュS「改めて〜、ポーカーやろうじぇ〜。」
ミュックS「今のはデモンストレーションっす。」
   本命はこちらだと豪語する2人。今の行動は余興だと告げた。一歩間違えばその余興で張り
   倒される所だったが。
    その後は大人しくなったターリュSとミュックSとでポーカーを行うミスターT。息抜きと
   いう事でライアも参戦し、4人は娯楽を楽しみだした。

ターリュS「マスター、質問が。」
ミュックS「この戦いに終わりはあるの?」
    遊びとはいえ全力投球の双子。どの様な戦況でも油断なく戦い続ける。この一途な一念が
   彼女達の強さの秘訣なのだろう。
   そんな中、一同が思っている事を代表しているかのように質問する。それはこの果てしなき
   戦いに終止符はあるのかという事だ。
ミスターT「それは私達次第という事だ。今のこの場の流れに満足か不満足かで、止めるか継続かが
      決まる。総意がこれ以上の戦いなどを望まないのであれば、今すぐにでも終わらせても
      構わない。」
ライア「なるほど、つまり私達の据わった意思があれば継続するという事ですね。」
ミスターT「その通り。それらを踏まえて、全ては私達次第という事になるね。」
   戦いの終着点、それは総意の決意によって決まる。薄々感じていた結論ではあったようだが、
   改めて知ると何とも言えない雰囲気になる。
ミスターT「まあ質問は質問。今のお前さん達には、この流れを終えようという意思など毛頭ないと
      思うが。」
ターリュS「当たり前っしょ〜。」
ミュックS「今止めたらマスターと言えど撚り潰すじぇ。」
ライア「皆さんも結論は知りたいと思っていましょうが、実際に終えようとは一切思っていないと
    確信しますよ。」
   彼の発言に愚問だと見栄を張る3人。ここで終えてしまったら、今までの行動が無駄になる。
   一同の熱意と強い一念で開かれたこの場、それを継続させる事にこそ意議があるのだ。

ターリュS「やったぁ〜、フルハウス!」
ミュックS「2ペアかぁ〜。」
ライア「3カードです。」
ミスターT「何もなしだ。」
    普段から運に見守られているレスラー達。こういったギャンブル要素ならば、更に凄まじい
   力を発揮できる。対するミスターTは運ではなく実力で行動しているためか、運が絡む行動
   には見放されていた。
ライア「7連敗ですよマスター。」
ターリュS「何かバツゲームでも決めればよかったね。」
ミスターT「お嬢さん方、黒いカード使うぞ。」
   運に見守られる3人は勝ち誇ったようにミスターTを見下す。こういった部分でなければ、
   彼に勝てないのは言うまでもないだろう。
   冗談を踏まえて、例の黒いカードを使うと負け惜しみを述べる彼。それを冗談では取れない
   3人はギョッと戦慄が走る。
ミスターT「ハハッ、冗談さ。しかしお前さん達が羨ましい。普段からも幸運の女神に見守られて
      いるからね。」
ライア「そう言うマスターも何時も闘神の女神に微笑まれている。幸運は所詮、不確定の要素。実力
    が備わっている方の方が羨ましいですよ。」
ミュックS「だねぇ〜。」
   運に見放されていない彼女達だからこそ、今までのような戦いを展開できる。運の力に頼らず
   とも、実力で捻じ伏せられる彼は特殊な存在であろう。
ミスターT「まあ今の瞬間を大切に、だな。勝とうが負けようが突き進むという意思が大切だね。」
   手に持つカードを切り、自分達に配っていくミスターT。その際に述べられた彼の言葉に、
   3人は力強く頷く。気合を込めて配られたカードを手に持ち、変えるカードを選んでいく。
   そして行動を終えた4人は、それぞれの手内のカードを見た。
ターリュS「フラッシュだじぇ〜。」
ミュックS「4カードだ。」
ライア「2ペアです。」
ミスターT「また何もなしだ。」
   8連敗確定である。3人は負けるミスターTに大喜びし、対する彼は物凄い落胆していた。
   しかし彼女達と楽しめる一時こそが何よりの宝。そう据わっているミスターTは、喜ぶ3人の
   姿を見て嬉しくなっていた。

ミスターT「2人は男性そのものだな。」
ターリュS「よく言われますよ。」
    ポーカーを終えて一服する一同。ミスターTは煙草を、他の3人はコーヒーを飲んで寛いで
   いる。
   そんな中、ターリュSとミュックSの有り様を述べだすミスターT。その姿はさながら男性
   そのものだ。
ミュックS「ユキヤ兄ちゃんやマスターは好きだよ。でもエシェラさんやシンシアさんみたいな恋愛
      にまではいかないかな。」
ミスターT「外見と考えは幼さ爆発だが、心はある意味真の女性だな。」
ライア「うちのユウ・アイ・レイアに見習わせたいですよ。」
   年代から殆ど離れていない5人、本編では姉妹そのものだろう。ライアの娘達の明るさは、
   この2人から影響されている。
ターリュS「本編で1つ気になる事があるのですが。」
ミスターT「お前さん達の後継者の存在、だな。」
   述べたい事を見透かされ、ターリュSは苦笑いを浮かべる。しかし相手に知られているという
   事は、逆に答えを伺いやすい事に繋がる。この場合はありがたい事に繋がるだろう。
ミスターT「2歳で心臓病で死亡し、クローンファイターとして転生する。そのまま16歳までは
      普通に成長し、その後ユキヤ達と同じく外見の年齢が固定される。という設定かな。」
ミュックS「私達はリュエラさん達の世代のキャラなので問題はないですがね。」
ミスターT「だな。で、本題だ。後継者を失ったという事で、メルアに更に子供を作らせるという
      設定もいいと思っている。他にはお前さん達がクローンファイターでありながら、母親
      となる設定だ。あの世界観なら一匹狼などの世界観とは異なり、世間体の目線は一切
      気にならない。このタブーとされる考えも押し通せるだろう。」
   本編はまだ作られておらず、予測で内容を公開する創生者。今この場では無邪気な双子の姉妹
   も、本編の本題の話になると表情が真剣そのものになる。
ターリュS「それがエイラさんやトモミさんになるのですね。」
ミスターT「純粋な人間としての血を受け継ぐ伝説のレイヴンとなれば、前者の方が無難だろう。
      ターリュとミュックがクローンファイターになったという事が確定した後に、メルアと
      トーマスSには頑張ってもらう事になるが。」
ミュックS「父ちゃんと母ちゃん大変だのぉ。」
ターリュS「ですなぁ。」
   羨ましいのやら何のやら、ニヤケ顔で語る2人にライアは赤面している。自分の事ではないの
   だが、その行動が自分と同じだった事を創造しての言動だろう。
ライア「そうなると、ターリュSちゃんとミュックSちゃんに弟か妹ができる訳ですね。」
ターリュS「もち妹っしょ。マスターなら間違いなく女性にすると思う。」
ミュックS「最強ロジックを受け継ぐ猛者としてなら、女性ほど打って付けの存在はいませんよ。」
   エキプロという世界観での自分達の家系を窺えば、ターリュSとミュックSには妹という存在
   が無難であろう。2人に似たじゃじゃ馬娘で、凄まじい明るさを兼ね備えた少女である。
ミスターT「ネタと言っては失礼だが、キャラクターの作成にはこれほどいい存在はいない。この
      プランは通した方がいいかも知れないね。」
ターリュS「面白そうだじぇ。」
   自分の妹が作られるかも知れないという事に、ターリュSとミュックSは非常に嬉しそうだ。
   このじゃじゃ馬娘達に妹が出来た日には、それこそ手が付けられなくなるほど暴れ回るので
   あろう。

ミュックS「家系図を見て思ったのですが。リタレヴからレジェレヴとアナザレジェレヴに移行する
      際、後継者がエイラさんじゃないですか。エイラさんはリュウガさんと一緒の陣営、
      リュウルさんと一緒の陣営にはいないのですか?」
    ミスターTの手帳内に記述されている家系図や作成リスト。それをハンドコンピューターを
   介して介して見せて貰っているターリュSとミュックS。直接ではなく間接的な手段である。
   ライアもそれに興味を示し、2人に便乗して閲覧をしていた。
    そんな中、ミュックSが後継者のエイラを指し示して疑問を投げ掛ける。所属する陣営が
   同じ時間軸の裏手になっている点を気にしてだ。
ミスターT「実際にストーリーを作っているなら、直ぐにでも微調整はできるがね。今の現状は一切
      作られていない状態だ。まあ同じ時間軸での存在なら、リュウル陣営に新しく家系を
      追加するのもいいかも知れない。」
ターリュS「エイラさんの髪の毛の色は父ちゃんのが受け継がれた事になるね。」
ミスターT「金髪はお前さん達だけだ。エイラやその姉になる存在も緑色になるだろう。そして後続
      のトモミなどは赤色になっていく。」
ライア「一貫して髪の色が統一されているのは、主人公方ですね。」
   直接髪の色が受け継がれるのは希であろう。大体は両親の色が混ざり合い、複雑な色になる。
   または片方だけを強く受け継ぐといった形もあるだろう。一概にこの限りではないが。

ミスターT「面白いよな。トーマスSが登場時、家族を持たない設定だった。当然後からメルアや
      お前さん達を追加した形になる。ライアの子供達も全く考えていなかった。」
    手帳を見ながら過去を振り返るミスターT。些細な切っ掛けで後の流れが変わっていく。
   その意味深さを痛感しているのだろう。
ターリュS「マスターには感謝してます。」
ミュックS「ありがとね。」
   素直な気持ちになると、普段のじゃじゃ馬娘の一面はなくなる双子。その言動は表向きのもの
   であり、実際は誰もが驚くほどのお淑やかさなのだ。
ライア「何か普段の2人じゃないみたい。レイスさんやデュウバさんと同じ雰囲気。」
ターリュS「根っからのじゃじゃ馬だったら大変ですよ。」
ミュックS「これもマスターの設定ですね。」
ミスターT「まあそう言われれば言い返せないが。しかし女性は根底にお淑やかさは持つべきだ。
      それを隠すためにじゃじゃ馬などを演じる。野郎も異性に気に掛けて貰いたくて、色々
      と試行錯誤を繰り返すものだ。」
   人間は現実でも素体と仮の姿を持ち合わせる。言うなれば駆け引きそのものであり、卑怯事の
   ようだが自然と当たり前のものだろう。
ライア「マスターは不透明ですね。表向きが異性好きに見えても、本当の姿は一切分かりません。」
ターリュS「女好きのように見えても、そうでなさそうに見える部分もあるし。」
ミュックS「それでも貴方は貴方、私達の大好きなマスターに変わりありません。」
ミスターT「ありがとう。」
   心こそ大切なれ、普段から彼が言い掛けている事柄。表向きで判断するのではなく、しっかり
   内情を見定めるのが大切である。
   本当に合わない間柄であれば、自然と沙汰されていくのは言うまでもない。これは定石だ。

ミスターT「3人とは初顔合わせになるか。後で一同にも紹介しないと。」
    手帳に書き示した内容を、黒いカードを通して反映させる。先方述べた追加のGM陣営だ。
   現れたのは新規に13人と、アレンジされた2人だ。
ターリュS「あれ、エリシェさんの顔が違う。」
エリシェTW「マスターの仕業です。」
ターシェアTL「私達の大多数の顔が変更されていますよ。」
   模擬シーズンで大活躍した面々を抜粋し、GMとして降臨させた姿。それぞれの異名を持ち、
   戦闘力は従来よりも格段に向上しているだろう。一部弱体化しているかも知れないが。
シェガーヴァTS「まさか私も作られるとは思いもしませんでしたよ。」
ミスターT「大活躍だったからね。」
   他の面々とは異なり、シェガーヴァTSだけは普段と一切変わらない。血の気が引いた表情は
   サイボーグ設定故のものである。
ミスターT「それと私を含めたGM陣営のロジックを再度調整する。今回のは一部を除き、見せると
      いうロジックを用いない。完全な戦闘型と言った方がいい。」
   更に述べるはロジックに関してだった。今までの強さを踏まえつつも、部位攻撃を強化した
   形を取ったというのだ。
ミスターT「格差を付けるために、GM陣とこちらのロジックとは若干異なるものにする。それでも
      女性最強ロジックや男性最強ロジックに匹敵するものだがね。」
ライア「サンプルのロジック内容を窺うと、見た目だけの変更のようですね。実際には攻撃力は全く
    変わっていません。」
ミスターT「見栄えもあり破壊力もあるのなら、そちらのロジックの方が強いだろう。ここは了承
      してもらいたい。」
   あくまで優先として創生者や戦いを制する者を立てる。これは仕方がない事であろう。
ミスターT「今はエディットよりもロジック調整の方が大変だ。エディットはいくらでも作れるが、
      ロジックとなるとそうはいかない。私達の根底となる基礎だからね。」
ライア「これからが勝負ですよマスター。」
   創生者の役割は大変だと、一介のレスラーであるライアが述べる。戦略を考案する関係から、
   その大変さはよく理解できていた。

ターリュS「マスター。ビィルガさんの心境がいまいち掴めないのですが。」
    新規GM軍団は、他のGM達に顔合わせに向かった。作られてから直ぐに動くのは忍びない
   だろうが、一同を牽引する役目という部分を踏まえれば致し方がない。
   再び3人と雑談をしだすミスターT。そんな中、ターリュSがビィルガの役割が掴めないと
   ぼやきだした。
ミスターT「だから面白いんじゃないか。お互いの心境が把握できてしまえば、もはやその環境は
      変革は訪れない。私だけ一同の心境が掴めるようになっているが、これは創生者という
      位置付けから必要なもの。普通では用いる事はできないさ。」
ミュックS「むぬ〜、なるようになれか。」
ライア「皮肉な話ですね。」
   相手を把握できれば今後の試合展開を予測したりできる。しかしそれはミスターTだけで、
   他の面々は心の深層までは探れない。
ターリュS「今後はどうするの?」
ミスターT「それこそミュックSが語った、なるようになれだろ。」
   今後の展開はどうなるのだとターリュSがミスターTに問い質す。しかし返ってきた答えは
   ミュックSが語ったものと同じだった。

    その場の雰囲気で流れを作っていくのがアルエキファイタの世界。一応は引かれたレールの
   上を進むしかないが、それ以外の部分では自由に行き来できる。
   そう、一同全員が創生者そのものなのだ。それぞれが出来事を作り築き上げていく。その繰り
   返しが歴史となるのだ。

ターリュS「まあ仕方がないかな。」
ミュックS「なるようになれ、です。」
ライア「今後の私達次第という事ですからね。」
    改めて己の役割を振り返った。もはや一同全てが創生者であり、アルエキファイタを築き
   上げて行く重役なのだ。
ライア「シャワーでも浴びてこようかな。」
ターリュS「うちも行く〜。」
ミュックS「いいね〜。」
   真面目な雰囲気で会話を続けていた3人だったが、ライアの意外な発言で双子は童心に帰る。
   まあこれは表向きのものであり、素体の2人はライアを凌ぐお淑やかさだ。このじゃじゃ馬娘
   の姿は、本来の自分を隠す仮の姿であろう。
    話そっちのけでライアに付いて行くターリュSとミュックS。体躯はライアより双子の方が
   大きいが、その仕草は大きな妹のようだ。
   賑わいながら去っていく3人を見つめ、ミスターTは小さく溜め息を付いた。

ディーラ「マスター、勢力図の再確認をしたいのですが。」
    その後は1人で新キャラクターの構想やロジックの構想を練っているミスターT。そこに
   チャンピオン軍団のリーダーであるディーラが訪れる。ライディル・サーベン・チェブレが
   同伴として一緒だ。
ミスターT「これが今現在の図式だ。大きく分けるとロスレヴ系列・フリハト系列・伝秘ウイブレ
      系列・一匹狼系列・メカノイド系列・流界ベルムカル系列・悪陣営系列・中立系列。
      数ならロスレヴ系列が圧倒的だが、戦闘力はフリハト系列が間違いなく最強だろう。」
チェブレ「俺様達の所属するロスレヴ系列は人数は多くても団結がねぇ・・・。」
サーベン「本編では無類の力を発揮しているんだが、陣営を超えた場合は一部分だけだよな。」
ライディル「純粋に強くて信頼が強いフリハト系列の皆さんが羨ましい限りで。」
   やはり誰もが思う。フリハト系列だけは強さと絆が凄まじく強いと。それぞれがお互いを補う
   事で力が発揮し、誰もが羨むほどの戦闘力を発揮するのだ。
ライディル「新規チャンピオン軍団の件はどうなりました?」
ミスターT「諸々の展開で先延ばしになってるよな。私も模擬シーズンやその他の事で手一杯で、
      全く考えていなかった。」
サーベン「まあ今無理して考えずとも、そのうち自然と決まりますよ。」
   普通なら大事な事だから考えてくれなど催促を言われるのだろうが、今の彼らはそれよりも
   勢力図の方が大事であった。
   団結しなければ一大決戦に勝つ事は不可能。模擬シーズンの役割ではあるが、団結心を垣間
   見た彼らは痛感している。

    安らぎの一時を過ごしている一同だが、徐々に次なる戦いへ意欲を高めつつあった。

    第31話へと続く。

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