アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜
    〜第29話 模擬シーズン・完結〜
    試合はスペシャルレフリー、形式はアイアンマッチ・レフリー2人。リング設定はここ、
   レッスルマニア19。ルールはギブアップ・DQ・ロープブレイク。


模擬シーズン・スペシャルレフリー仮想チャンピオンバトル登場+試合動画

    (模擬シーズン・スペシャルレフリー仮想チャンピオンバトル終了)
    こちらも10分間と長い戦いだったが、全くそれを感じさせなかった。レフリーとしての
   参戦のターリュS・ミュックSだが、リングに立てるとあって表情は明るさ爆発である。
    戦力的に見れば、彼の方が完全に武がある。しかし最後の試合とあって、態と彼女の攻撃を
   食らう場面も見せていた。シンシアにも華を添える、相手への気配りは失われてはいない。

    結果はミスターTが勝利。シンシアを下し、レッスルマニアの頂点へと登り詰める。そして
   チャンピオンベルトを守り通した。長き死闘を経て守ったベルトは色々な意味で重いだろう。

    ベルトを持ちアピールする彼。そんな彼とは対照的に、リングで膝を付くシンシア。彼女の
   元へと歩みより、自分の左手でその小さな右手を掲げた。彼女も立派に頑張った、その意味が
   込められた行動だろう。

    が、ここでも本編シーズンとは異なる行動をしだす。右肩に担いでいるベルトをシンシアの
   腰に巻き、その小さな身体を優しく抱きしめる。そして彼女を持ち上げ肩に担いだのだ。
   この行動には一部始終を窺っている面々はともかく、シンシア自身が一番驚いていた。
シンシア「マスター・・・。」
ミスターT「今はミスターTだろ、終わるまではシーズンの流れのままにいなよ。」
   再び焦って普段と同じ感覚で述べるシンシア。その彼女に役割を担えと促すミスターT。
   しかし何度となくシーズンの流れと異なる事を行っているのを窺えば、人に言えた立場では
   ないのが現実だが。

    その後はエンディングへとなっていく。間に合わせの20人で組まれたエンディングは、
   さながら本物に近かった。
シンシア「ありがとうございましたマスター。」
   最初に歩み寄るシンシア。まだ模擬シーズンだというのに、役割そっちのけで接している。
エレノア「いい試合でしたよ。」
   終始悪役を演じていたエレノア。その役割も抜ければ、じゃじゃ馬娘に早変わりである。
シェガーヴァ「レスリングホリッカーです、私以上の。」
   チェアマンを扮したシェガーヴァ。彼も役割を演じつつも、普段に戻りながら接する。もはや
   役割を担っても型に囚われる事はしなくなった。自然体での応対、それが彼ら流のオリジナル
   模擬シーズンである。
    最初は戸惑い、感情移入ができていなかった19人。しかし今は本当にシーズンを体感した
   雰囲気を出している。そこまでに役割を担い切っていた。

ミスターT「俺にとってレスリングは何なのか、その応えはレッスルマニアでもでなかった。」
    再び回想に入るミスターT。パイプ椅子に座り、最後の役割を担い出す。その意味合いは、
   自分が打ち出した模擬シーズンの感想そのもだろう。
ミスターT「しかし分かった事がある。ここが俺のホームであり、ここで共に過ごす一同が俺の大切
      な家族だという事だ。それを教えてくれた場所に、俺は今後も上がり続ける。」
   複雑な表情をしながら述べる彼。模擬シーズンを超えて、この場にいられる事が大切なのだと
   痛感もした。端的ではあるが重要な事柄、それは一同にもしっかりと通じていた。

    こうして合計12試合も含めた模擬シーズンは幕を閉じた。模擬とはいえ、全力で戦った
   20人。その彼らを一同は大喝采で讃え続ける。
   この時ばかりは陣営別抗争は一切なく、ビィルガ達やデュウバD達も感情移入して見入って
   いた事が窺えよう。

    その後休憩に入る一同。今回は以前取った長時間の休憩となる。最近は連続で動き続け、
   流石の彼らも疲れの色を見せ始めていたからだ。
   食事の摂取・仮眠による休息・息抜き会話、この時だけは抗争や試合などの柵は一切ない。

    リングサイドにパイプ椅子を置いて座り、静かに目を閉じているミスターT。ノンストップ
   で動き続けた彼に疲れがドッと押し寄せる。
   例の体力強制回復を施すが、精神力の回復までは至らなかった。これは時間が解決するもので
   あろう。
    更には一同の意思の疎通による、かなりの重圧とも戦っていた。今の行動がどれだけ彼を
   癒しているのか、自然と窺えるだろう。
シンシア「あの・・・いいですか?」
   徐に歩み寄るシンシア。模擬シーズンでの役割を終えた今、彼女は普段の表情に戻っている。
   彼女が気にするもの、それは先程の行動だろう。
シンシア「何故本編と異なる事を?」
ミスターT「ここにいる皆には敬意を表している。それはお前さんも同じだ。仮想空間でのシーズン
      では色々とお世話になった。あれはせめてもの恩返しだ。」
   目を瞑ったまま彼女の問いに応じるミスターT。あくまでも己の原点は変えず、一同を見る
   目線は不動のまま。疲れる事ではあるが、それがどれだけ誠意がある行動だろう。
   シンシアは感無量で何も言い出せなかった。
ミスターT「フフッ、本編でお前さんがベルトに挑んできた時は驚愕したがね。でも他の面々とは
      異なる結論も瞬時に浮かんだ。お前さんになら、奪われても構わないと。でも実際に
      奪われてしまったら、最終まではいけない。現状のまま維持せざろう得なかったが。」
シンシア「・・・ありがとうございます。」
   やっとの思いで口にした言葉だった。色々と返す言葉を模索していたようだが、礼を述べる
   のが一番誠意ある対応だった。

シェガーヴァ「何とか担えましたね。」
    ミスターTの傍らに座り、一緒に物思いに耽るシンシア。その2人の元に模擬シーズンを
   戦い切ったシェガーヴァを筆頭に、17人の美女達が現れる。食事を取った後だったのか、
   それぞれ飲み物持参の遠足気分そのものだ。
ターリュ「本編では別陣営だったけど、こっちではメインで戦えて嬉しかったよ。」
ミュック「後もう少し強かったらと思うけど、まあ結果がよければ全てよし。」
ミスターT「お前さん達は戦えれば満足だからな。」
   皮肉を込めて語る彼に苦笑いをする2人。自然体に付き合えるターリュとミュック、それは
   誰もが羨ましがるものだ。

ミスターT「ごめんなエレノア、悪役ばかり担わせて。」
エレノア「あ、気にしないで下さい。どんな役でも活躍できるのは嬉しい事です。」
ラオリア「こいつの餌食にしてやるという台詞、笑い堪えるのに必死だったよ。」
エリシェ「裏では大笑いしてたけどね。」
    一番インパクトがあったのはエレノアの凶器持ちでの発言だろう。本編とは異なり役割を
   演じるこの場。彼女の発言には、自分自身も笑いターリュSとミュックSも巻き添えにした。

エシェラ「セカンドでは見られませんでしたが、ファーストでは異なる展開だったのでしょう。でも
     何故あの行動を付け加えたのですか・・・。」
    エシェラが気にするはディーバ獲得戦。本来なら2回とも勝利を讃えるで済ませるはずが、
   最初は抱きしめ次はキスをしたのだ。本編での別の選択肢を選んだという事であろうが、当の
   本人は非常に驚いていた。
ミスターT「撮影の方では普通の流れだったが、別の流れでは例の選択肢を選んでいる。まあ何だ、
      野郎の性という事で黙認してくれ。」
エシェラ「もうっ、今度は前もって相談して下さいっ。」
   赤面しながら語るエシェラ。彼女の心境を考えれば、この行動は嬉しい限りだろう。しかし
   一同が手前にいるため、恥ずかしい事には変わりはなかった。
ターリュ「姉ちゃん羨ましいにぇ〜。」
ミュック「ほんとほんと〜。」
エシェラ「こらぁ〜!!!」
   この機を逃さず茶化しだすターリュとミュック。それに怒ったエシェラは2人を捕まえて首を
   両脇に挟む。以前2人の母親メルアが行った、おしおきスリーパーホールドだ。
   筐体の戦闘力からメルアとエシェラは大差なく、手加減がない分エシェラの方が威力が高い。
   これには2人は悲鳴を挙げて降参するしかなかった。

    その後逃げ回るターリュとミュックを追い掛けるエシェラ。彼女の勢いは凄まじく、双子は
   あっという間に捕まってしまう。先と同じスリーパーホールドをお構いなしに繰り出した。
    そんな彼女を背後から羽交い締めして止めるシェガーヴァ。全く動じずに止めてしまう彼も
   凄く、これには一同驚かざろう得ないだろう。
シェガーヴァ「マスター。チェアマンの役割、ビィルガ氏でもよかったのでは?」
   じゃじゃ馬娘を制止させつつ語るシェガーヴァ。その発言は一同も思っていた事で、何故彼を
   選んだ理由が見えなかった。
ミスターT「彼自身が望んでいなかった。中立という立場で行える人物のみ、模擬シーズンという
      選ばれし舞台へと進みでた。彼にも依頼した所、私には相応しくないと一蹴された。」
   仮にビィルガが出ていれば、全く異なる展開が起こったであろう。シェガーヴァが演じていた
   チェアマン以上の行動が目に浮かぶ一同。
    与えられた役割を機械の如く徹底的に演じ切るという至難の技は、本編でもそれを担って
   いるシェガーヴァ自身が適任なのだろう。まあ一部分は異なるであろうが。
ミスターT「裏方の役割はお前さんほど適任はいない。この理由から選ばさせて貰った。」
シェガーヴァ「光栄な限りですマスター。」
   やっと落ち着いたエシェラを解放し、ミスターTに礼を述べるシェガーヴァ。普段から落ち
   着いた雰囲気は、もう1人のリュウジとは思えないものだった。

    その後再び目を閉じるミスターT。椅子に座り瞑想の如く気を落ち着かせる彼は、さながら
   試合前の格闘家そのものである。しかし相手からの応対にはしっかりと応じる。この点は凄い
   ものだろう。
シンシア「何だかマスターの見方が変わりました。本編でもシーズンに出して頂き、更にはエシェラ
     さんと同じく弟子のように見て下さっている。感謝に堪えません。」
ミスターT「それまでは見損なっていたという事かな。」
シンシア「そ・・そんな滅相もない。私も・・・その・・・、エシェラさんと同じです・・・。」
   エシェラと同じ境遇、すなわちシンシアも彼に対する好意が芽生えたという事になるだろう。
   それを聞いたエシェラは、内心で焦りを覚えた。
エレノア「ははぁ〜ん、なるほど〜。エシェラさん、もっと積極的にアピールしないと取られちゃい
     ますよ。それにエリシェさんも。」
エシェラ・エリシェ「な・・な・何を言ってるのですかっ!」
   冗談雑じりで語るエレノアに、大赤面しながら反論するエシェラとエリシェ。満更でもないと
   周りはしっかり認めている。
   エシェラとシンシア、そしてエリシェ。そのうち彼を巡って戦いが演じられそうと直感した
   一同だった。
ミスターT「フフッ、嬉しい限りだ。まだお前さん達は生まれたばかりだし、大いに青春を満喫する
      んだ。」
   笑うミスターTが彼女達を羨ましがった。それには色々な意味が込められているが、大人で
   あるシェガーヴァ以外は分からないようだ。

シェガーヴァ「では私は仲間の元に戻ります。また何かあれば仰って下さい。」
エレノア「今度はベビー側で暴れさせてね。」
ラオリア「またよろしくお願いします。」
    そう述べるとシェガーヴァ達は仲間達の元へ戻って行く。模擬シーズンを通して仲間意識が
   強くなり、彼らと長くいる事が大切だと思ったようだ。
   去って行く彼らにミスターTは会釈する。今回の功労者とも言える者達に敬意を表して。

エシェラTA(お疲れ様でしたマスター。)
    彼らが去って行った直後、脳裏にエシェラTAの声がする。意思の疎通による会話だ。
ミスターT(珍しいな、お前さんから話してくるとは。)
エシェラTA(労いの1つですよ。マスターが普段から仰っているじゃないですか。)
エシェラTB(私達もその心構えを肖ろうと思いまして。)
   真のGMとして当然の行動だと述べる2人。しかしミスターTは彼女達の内心を知っている。
   新たなライバルが出現した今、更にアピールをしだしたのだ。
   男性として嬉しい限りの彼だったが、こうも複数からアプローチを受けるのは疲れるだろう。
ミスターT(エシェラTAはエシェラTBの補佐役として位置付けと思っていたが、もう1人の真の
      GMとして君臨しても構わないだろう。)
エシェラTA(いやマスター、私はあくまでも補佐で。姉さんの機転溢れる行動には敵いません。
       私は姉を守る側の方が性分ですよ。)
ミスターT(まあ予測はしていたが、構わないだろう。お前さん達に任せるよ。)
エシェラTB(了解。)
   意思の疎通を終え、再び沈黙が彼を支配する。他では陣営別などの柵を省いた休息を取って
   いる事から、凄まじいまでに大賑わいしている。
   この時ばかりはビィルガ達もデュウバD達も彼らと混ざり騒ぎ回っている。この瞬間は一同が
   家族そのものであろう。

ミスターM「お疲れ様。」
    遠巻きに一同を窺いつつ、この時ばかりは休憩するミスターT。そこにミスターMが現れ、
   大活躍した彼を労う。現れ方を窺えば、一瞬にしてその場に参上したという事であろうか。
ミスターT「色々と大変ですよ。」
ミスターM「それだけ期待されているという事だ。彼らの期待を裏切るような事だけはするなよ。」
ミスターT「心得ていますよ師匠。」
   煙草を吸いながら激励するミスターM。厳しい言葉にも思えるが、ミスターTにとってそれは
   何よりの励ましであろう。
ミスターM「あの試合後にエシェラ嬢が動き出すとは。人とは些細な切っ掛けで覚醒するものだね。
      改めて痛感する。」
ミスターT「師匠には頭が下がる思いですよ。必ず切っ掛けを作って下される。」
ミスターM「そうでもないさ。強い意欲がなければ継続はできない。ミスターTの貪欲とも思える
      一念が、ここまで発展させたのだ。私はそんな君の背中を軽く押したに過ぎない。」
ミスターT「嬉しい限りです。」
   一同の背中を押している存在、それがミスターT。そしてその彼の背中を陰ながら押している
   のがミスターM。持ちつ持たれつ、それが人の尊い行いであろう。
ミスターM「再び役割が回ってこない事を願っているよ。」
ミスターT「ハハッ、了解です。」
   そう語ると再びその場を去って行く。と言うか一瞬にして消えるといった方がいいだろう。
   何度も述べるが一同とは異なり、黒いカードでの反映ではないのは確かだ。

    彼が去った後も、その場で休むミスターT。連続戦闘の疲れは今も押し寄せている。睡魔
   にも襲われ、そのまま寝入ってしまう。
   そんなミスターTの内情を察知してエシェラTBとエシェラTAが息を殺して現れる。彼の側
   に座り、眠る間の護衛を担当した。まあ護衛は名目で、本当は彼の側にいたいのだろうが。

リュエラW「何か大きな試合ができませんかね。」
ライア「難しいですね・・・。」
    模擬シーズンの凄まじさに当てられ、サバイバルチャンピオンのリュエラW達は通常の試合
   では満足できそうになかった。一同が盛り上がる試合をしてこそ、チャンピオンたるもの。
   どういった試合が望ましいか、模擬試合を企画しているライアに相談を持ち掛ける。
    ライアの方も模擬シーズンに当てられ、今のままの試合では満足できなかった。リュエラW
   達と同じ境遇であり、燃え上がる試合内容を模索しだしていたのだ。
ライディル「陣営の壁を超えても構わないのなら、いい案がありますが。」
   ふと呟くライディル、その内容に一同興味を抱く。特に陣営の枠を超えてという部分に注目が
   集まっている。
ライア「どんな案です?」
ライディル「文字通り、陣営を超越した戦いです。この場合はロスレヴ系列の方々に絞られますが。
      ロスレヴからラストレヴまでの面々の、正しくオールスターバトルロイヤルです。」
   凄まじい事を考えたと一同は思う。このアルエキファイタ自体もオールスターではあるが、
   その中で区分けした同試合を行おうというもののようだ。
ライディル「メンツはまだ考えていませんが。例えば・・・、主人公だけでの頂上決戦とか。他には
      世紀を越えた一族対決など。他の方にスポットを当てないと問題もありますが。」
   かねてからライアも考えてもいた構想、それはライディルも同じ事を考えていた。しかし実際
   に行うとなると難しく、どうしてもプランが思い浮かばない。
ライディル「模擬試合の方がいいと思いますが、先程の模擬シーズンに比べたら取るに足らないもの
      になってしまう。あの模擬シーズンを超える展開を打ち出さなければ。」
ライア「試合数の問題もありますし。先方試合もマスターがかなり絞って12試合に留めたようで。
    本当の数は12試合の5倍に続編2試合、合計62試合だったらしいですよ。」
ライディル「バックでの戦いなどを加えればそれ以上になるからねぇ。」
   試合数を減らしてしまうと見せ場がなくなり、一同を沸かせられなくなる。かといって数を
   多くしてもマンネリ化は必須だ。この駆け引きは非常に難しいものであろう。
ライア「とりあえず、保留にしますか。そんなに慌てなくても大丈夫でしょう。」
リュミスW「了解です。」
リュヴスW「休める時は休まないとね。」
   危うく大規模の作戦会議になり掛けていた。今は長時間休憩であり、それを行う意味はない。
   面々は作戦会議を止めて、再び休息を満喫しだした。

ゼラエル「最初からこうすればよかったんだよな。」
    大いに休憩を楽しんでいる悪陣営の面々。しかし今は決定的なリーダーが欠けている状態、
   行動を再開しても動けず仕舞いである。
   そこで一同が考えたのは、カリスマ的な存在を陣営の中から輩出するという事だ。自分達の
   陣営の中でそのような人物はいるのか、悪陣営の面々は討論を重ねていた。
    そしてその人物は存在した。自分達とは一線を駕しており、どちらかと言えば中立に近い
   存在、それはロスレヴ系列ラスボスのシェガーヴァHである。悪陣営の中で顔にペイントが
   施されていない唯一の存在だ。
シェガーヴァH「私より貴殿が相応しかろうに。」
ゼラエル「俺達は命令するタイプじゃない。」
アマギDA「だな、戦う事だけしかできない存在だ。一同を引っ張れる力があるのは、あんたしか
      いないと思うぜ。」
ベロガヅィーブ「もちろんあんただけ頑張らせる訳にはいかない。俺達もできる限りの力になる。」
   シェガーヴァHは薄々予測していた。自分がリーダー的存在に抜擢されるであろうと。それに
   拍車が掛かったのは、模擬シーズンでのチェアマン扮するオリジナルのシェガーヴァだ。
    彼の大活躍は言うまでもなく、そのアレンジ的存在のシェガーヴァHでも同じ事はできる。
   そこに目を付けたのがゼラエル達だったのだ。
ディヴォルガル「中心者がしっかりしていれば、その軍団は無類の力を発揮する。本編でもそうで、
        以前ディーラ氏が仰っていた事柄です。」
フィルラウローム「我々も貴方と同じラスボスの存在です。微力ながらですがご助力しますよ。」

    悪陣営のレベルはかなり差がある。ターリュ・ミュックなどの低レベルクラスから、メルア
   級の戦闘力を持つ高レベルクラスの人物など。
   特にフリハト系列の悪陣営の力は凄まじく、かつてリーダーを担っていたデュウバDに匹敵、
   場合によっては凌駕する戦闘力を誇る。

    これらを踏まえた現在。何故に今まで自分達で動かなかったのか、不思議でならないと痛感
   する悪陣営の面々。悪陣営という存在ではない人物にリーダーを任せても、それは一時の力で
   しかない。現にデュウバDやビィルガなどが所属するも、直ぐに離反してしまっている。

    このシェガーヴァHを中心とする悪陣営が見事完成する時、今までにないほどの力を持った
   陣営と進化するだろう。しかも身内からのリーダー排出であれば、離反などまずありえない。
   デュウバDやビィルガにとって、脅威の存在になるのは言うまでもないだろう。

ゼラエル「ではリーダー、お願いしてもいいか?」
シェガーヴァH「頼まれた時点で断るつもりなどない。私にできる事なら喜んで担おう。」
    こうして悪陣営に新しいリーダーが誕生、同じ陣営からの排出となる。しかもデュウバDや
   ビィルガと違って、どちらかと言えば悪陣営と中立寄りだ。この2人が核とする陣営とは全く
   異なるという点。ここが今回の大きな要素だろうか。
ディヴォルガル「身辺警護はお任せを。」
フィルラウローム「闘神と謳われる我ら、そう簡単には負けませんよ。」
デストロイア「無論我らも戦う事はしますので。」
シェガーヴァH「願ったり叶ったりです。」
   会議冒頭で述べた通り、何故早くに打ち出さなかったのかと悔やむ一同。他の人物に陣営の
   リーダーを任せるよりも、内部から強い人物を出せば済んだ事なのだと。
シェガーヴァH「まあ我々は戦闘マシーンそのもの。その時の流れに乗り、流される事も必要かと。
        現にこうして団結できたのは、過去の苦節があったればこそですから。」
   結論を述べるシェガーヴァH。これも一同が思っている事でもあった。これならば今後の展開
   は問題ないと、悪陣営の誰もが直感した。

エシェツ「悪陣営のリーダーが決まったよ。」
ヴュオリーア「シェガーヴァH氏だそうで。」
    オールロスレヴ系列の面々は休息や睡眠・雑談・遊びと明け暮れている。本当にこの場の
   安らぎを満喫し切っていた。他の伝秘ウイブレ・一匹狼・メカノイド・流界ベルムカルの面々
   も同じだった。
    しかしフリハト系列の面々は違っていた。休息しているようで、実は戦力調査・交流関係
   などを調べている。一見スパイ行動にも見えるが、相手を知るという行動は当たり前だろう。
ルデュファス「これで少しは楽になりますね。」
ヴァルラーム「そうでしょうか。逆にデュウバD陣・ビィルガ陣に火を点けてしまうような気がして
       なりません。」
メフュレーナ「その時はその時です。襲撃してくるなら逆襲してやるまで。降り掛かる火の粉は払い
       除けるまでです。」
   ヴァルラームは全ての流れを見定めて呟く。それに上辺事での解決を述べるメフュレーナ。
   しかし決して彼女が間違っているという事ではない。
ディルヴェズ「まあ、何とかなるでしょう。これだけメンバーが揃っているのですから。」
エシェツ「だねぇ〜。」
   一同を見渡すディルヴェズとエシェツ。他の8陣営とは一線を駕す強者揃い。それに元からの
   団結心は凄まじいものがある。この団結心だけは絶対に負けないと確信が持てた。

セレアM「初歩的な質問ですみませんが、リーダーとかは決まっていらっしゃるのですか?」
    悪陣営の新リーダー決定を窺って、セレアMが一同に告げる。前々から気になっていた様子
   の彼女、会議中という場を利用し述べたようである。
メフュレーナ「そりゃあ〜、ディルさんしかいないでしょ。」
ディーラ「ですな。落ち着いた千里眼をお持ちで、誰からも親しまれている存在。これほどの適任は
     他にいません。」
トーマスI「私達は徹底的に戦えますね。」
   誰も異論を唱える者はいない。またディルヴェズの方も望む所だと心構えの様子。一同が一同
   を信頼し切っているからこそ、不動の団結心が芽生えるのだから。
ディルヴェズ「実の所はディーラにでも頼みたい所なんだがね。」
ディーラ「私の所属はフリハト系列ですが、戦場はチャンピオン軍団ですよ。」
デェルダGI「ああ、兄さんはチャンピオン軍団のリーダーを担っていらっしゃいましたよね。」
ディーラ「嬉しい事だが、これ以上重役を担わせないでくれ。」
   苦笑いを浮かべるディーラ、失言だったと笑うディルヴェズ。この場合の陣営のリーダーは
   自分しかない、ディルヴェズは腹を括るしかなかった。
ゼランH「まあその代わり、ディルに何かあった時は任せてくれよ。」
ザーディンG「リーダーがしっかりしてくれるからこそ俺達は堂々と戦える。ディルヴェズ殿には
       ご苦労掛けますが、これも宿命だと受け止めて下さい。」
ディルヴェズ「宿命か・・・。本編を離れているこの場でも、その言葉を聞けるとは驚きだね。」
   それぞれの本編から独立した形のこの場。そこで本編と同じ役割などを窺えるというのは、
   非常に意味深いものであろう。
ヴァルラーム「大丈夫ですよ、貴方の背後は私が守ります。貴方は前だけを向いて下さい。」
ディルヴェズ「ああ、分かった。」
   既に夫婦であるこの2人だからこそ、お互いを支え切っている。これほどまで頼もしい存在は
   他にいないだろう。
エシェツ「その兄ちゃんや姉ちゃんを守るのがうちらの役目〜。」
メルシェード「フフッ、そうだな。」
デルトラズ「我ら23闘神も同じ。マスターを傷付ける者は容赦しません。」
メフュレーナ「楽しくなりそうだねぇ。」
   何度も述べるが、個々の戦闘力はアルエキファイタ最強のフリハト系列。更に彼らを強くする
   存在、こちらも何度も述べる団結心だ。
   ファンタジーという世界観が彼らをそうさせるのだろう。心にも大きなゆとりを持っている
   証拠だ。

    そんな中、悪陣営とフリハト系列の煽りを受けて他の陣営もリーダーを輩出しだした。
   伝秘ウイブレ・一匹狼・メカノイド・流界ベルムカルが該当する。一匹狼を除けば、他の陣営
   は全てファンタジー世界観を持っている。

    しかしオールロスレヴ系列だけは決められずにいた。それはレイヴンという職業柄、他人を
   裏切る事を定石としているからだ。ロストナンバーレイヴンズという面々は団結心に強いと
   思われるが、世界観が現実味を帯びているだけに苦しいものだろうか。
   一匹狼も現実味を帯びている世界観だが、戦闘兵器などが登場しない分だけマシだろう。

ミスターT「苦しそうだな。」
エシェラTB「ええ、世界観の部分で大きな足枷になっていますね。」
エシェラTA「現実味溢れるだけ親しみやすいのですがね。それが逆に仇になっている様子で。」
    流石創生者、僅かな休息で完全回復を成してしまう。エシェラTBとエシェラTAが見守る
   事により心から休めたようで、その分体力回復が早まったのは言うまでもない。
   今はそれぞれの陣営の行く末を見守りつつ、今後の打ち出しを行っていた。
ミスターT「こればかりは仕方がない。創生者としては無責任な発言だが、その世界観の流れは殆ど
      絶対的だ。そこに誕生したものは宿命として生きて行かなければならない。」
エシェラTB「この場だけは壁を破れ、これが私達が言える助言ですね。」
エシェラTA「ホホッ。姉さん、いい事言うじゃん。」
   エシェラTBが述べた事は今の打開策だ。エシェラTAもミスターTも同じ考えである。
    世界観による流れや足枷は本編の話であり、この場ではそれらは乗り越えられる壁として
   存在している。
   その壁を乗り越えるかどうかはその人次第。アルエキファイタというこの場では、乗り越え
   られない壁など一切存在しないからだ。
ミスターT「その助言を彼らに述べてきなよ。おそらく一瞬にして覚醒すると思う。」
エシェラTB「私も行きますが、この役はエシェラTAに任せますよ。偶にはこういったいい役割も
       担わないとね。」
エシェラTA「うぉ〜し、やったるで!」
   全く嫌がる素振りを見せず、むしろ望む所だと張り切るエシェラTA。その姿に小さく微笑む
   エシェラTB。2人は困っているオールロスレヴ系列の面々の所へ向かって行った。

トーマスCTG「マスター、一杯いかがです?」
    今後の行動を考えるも、大きな行動をしないミスターT。そこにトーマスCTGがワイン
   片手に訪れる。飲み仲間であろう、トーマスKTS・トーマスOTBが同伴だ。
ミスターT「おいおい、大丈夫か。」
トーマスKTS「大丈夫でしょう。例の食事摂取後の一瞬の消化などを踏まえれば、酔いも一瞬に
        して回復するでしょうから。」
ミスターT「確かに。分かった、一杯頂くよ。」
   無理無茶なく使える力は存分に使えと、古老GM達は豪語する。こういった場合の力の使用は
   問題ないのだろう。二言返事で了承するミスターTを窺えば一目瞭然だ。
トーマスOTB「普段は役割方、飲めませんからね。」
ミスターT「まさかこの場で飲酒を持ち込むとは驚いたな。」
トーマスKTS「壁を破れ、ですよ。」
   酒が入り意気揚々とする3人。ミスターTもそれなりに回りだしているが、元来から強いのか
   殆ど影響が出ない。また他の3人も強い様子で、明るくなるが酒には一切飲まれてはいない。
トーマスCTG「今後の展開はどうなりますかね。」
ミスターT「私も未知数だ。一同を牽引はできるが、その後の発展は彼らに委ねられている。私達は
      背中を押すぐらいしかできないからね。」
トーマスCTG「確かに。GMの存在はそうですからね。」
トーマスKTS「今後も裏方で皆さんを見守りますよ。」
ミスターT「ああ、よろしく頼むよ。」
   改めて自分達の役割を振り返る4人。自分達は一部を除き表立っての行動をしてはならない。
   他の面々を立たせる事が、GMとして創生者としての役割だからだ。
   まあこれらも壁を破れという一念では、一切解放される事柄でもあるが。

    ある程度飲み止める4人。この場の流れから直ぐに回復するが、余韻だけは残っている。
   その余韻に浸りながら、古老GM3人は彼の元を去って行った。
   年齢からすれば、3人の息子的存在のミスターT。やはり年輩という意味合いでは敵わないの
   だろう。経験の点から格が違いすぎるのだ。

    しかしそれは本編やこの場の流れを考慮しての事。創生者云々という事柄を加えれば、3人
   の方がミスターTの息子的存在だ。

シンシアTJ「マスター、これを。」
    他の面々の流れを見ながら一服するミスターT。そこにGM版のシンシアTJが現れる。
   手には何やら持参しており、誰かからの言伝のようだ。
ミスターT「ハハッ、オリジナルからのお願いか。」
シンシアTJ「ええ。恥ずかしいから代わりに渡して欲しいとの事で。」
ミスターT「お前さんはエシェラTGとは異なり、オリジナルの影響を受けないよな。」
シンシアTJ「幾分かは受けていますよ。この何とも言えない気持ちは、シンシアが思うものなので
       しょう。しかし自分もエシェラTGさんもそうですが、GMという役割から控えては
       います。真のGMであるエシェラTBさんやエシェラTAさんも同じかと。」
   表だって感情を剥き出しにしているのはオリジナルの面々のみ。アレンジで一同を纏める存在
   のGMなら、そういった私情は極力抑えるべきだろう。
   しかしこの場限りの壁を越えろという一念。これを踏まえた上では、そのような考えは一切
   廃されるのだろうが。
シンシアTJ「内容は何なのです?」
ミスターT「先刻のお礼と今回の感想など。他はおそらくお前さんが思っている事と同じだよ。」
   礼と感想は名目で、本音は心の内を手紙に認めて送ったようだ。それが切々と伝わる彼だが、
   内心は何とも言い難いものだった。
シンシアTJ「マスターも大変ですね。」
ミスターT「望んで行っている訳じゃないのだが、結果的にはその行動が結び付ける。かといって
      結果を恐れて冷酷な対応は取りたくない。これも創生者として辛い部分なのかもね。」
   普段から素体での行動を行うミスターT。それは男女問わず人気を得る秘訣だろう。
    男性は友情が強くなり、頼れる猛者と認識される。ディルヴェズやライディルなど、かなり
   の面々から慕われている。
    女性も同じく友情が強くなるが、男性とは異なり恋愛が芽生えやすい。同性なら頼れる友と
   なるだろうが、相手は自分とは異性である点が大きい。エシェラを始め、ターリュ・ミュック
   やシンシア・エリシェなど。普段からの行動を見れば、自然と分かる事だろう。
シンシアTJ「そんな貴方だからこそ、私達は慕うのですよ。常にその心構えをお忘れなきよう。」
ミスターT「ありがとう。」
   オリジナルのシンシアとは全く異なる。シンシアTJは彼女よりも大人びいていた。言葉から
   行動まで、その全てが成長しているようだ。
   その彼女の労いにミスターTは感謝した。些細な事からでも原点回帰は起きている。彼女の
   発言でもそうであった。

エシェラTA「助言してきましたよ。」
エシェラTB「マスターが仰った通り、大盛況でした。」
    暫くしてエシェラTBとエシェラTAが戻ってくる。成果はあったようで、助言で覚醒した
   オールロスレヴの面々。
エシェラTA「背中を押しただけで、あれだけ活気付くのは驚きです。」
エシェラTB「エシェラTAを救世主扱いでしたよ。」
   もう1人の真のGMとも言えるエシェラTAの計らいに、感激したオールロスレヴの一同。
   大喝采で讃えられ、はにかみながら声援に応えていたようだ。
エシェラTA「引っ張る役というのも、意外といいものですね。」
ミスターT「悪役が似合わないというのが分かっただろう。役割を徹底的にまで担い続けるビィルガ
      とは異なり、熱血漢のお前さんには絶対担えない。現にオリジナルのエシェラ自体が
      極ベビーだ、悪役はできないのは当たり前だろうな。」
エシェラTA「でも悪役という役割側の視点を体感しないと、どういった流れを展開するか考えられ
       ません。」
エシェラTB「私も同じです。一同を牽引する者は、全てを体感しないと引っぱれません。」
   悪役を担ってこそ、悪役との連携が取れる。過去にミスターTも悪役染みた行動もした。その
   行動が今の己の財産になっているのは言うまでもない。
シンシアTJ「お2人なら問題なく動けますよ。皆さんを活気付かせ、沸かせられる存在に。」
エシェラTB「恥ずかしくない行動をします。」
エシェラTA「だね。」
   この2人も気付いたようだ。シンシアTJが幾分か大人びいている様子に。それはオリジナル
   のシンシアの影響だろう。それは2人の方も十分当てはまる。オリジナルのエシェラの影響を
   受けているからだ。
   それと当時に凄まじい戦闘力を有している。心も強くなれば、正しく一騎当千であろう。

ミスターT「そうそう、GMを増やそうと思っている。」
エシェラTA「また増やすのですか?」
    その後雑談しだす3人。同じ境遇だという事を認識してか、会話も自然と盛り上がった。
   そこに述べるミスターT、再びGM軍団を増やそうという事だった。
シンシアTJ「多すぎではありませんか?」
ミスターT「確かに。しかし今回の模擬シーズンで追加する面々が増えた。特にエレノアには色々と
      助けてもらった。その恩返しはこういった場でしかできないからね。」
   創生者の恩返し。それは盛り上がる試合の提供か面々の追加、このどちらかであろう。先刻
   大規模の模擬シーズンを行ったとすれば、次に行うとすれば面々の追加であろう。

ミスターT「それと真敵役に修正変更したい人物がいる。エシェラTAが担っていた、ミスヒール
      その人だ。」
エシェラTA「となると、再び元の役割に戻るという事で?」
ミスターT「いや、お前さんはそのままでいい。このミスヒールはエシェラ系列の人物ではない。
      完全にオリジナルとして君臨する事になる。」
エシェラTB「つまり名前を使用して人物は新しく、という事ですね。」
    再び悪役に回されるのかと、エシェラTAは内心落胆していた。しかしミスヒールという
   名前の継承と知って、ホッと胸を撫で下ろす。
   またこれは別物としてだが、3人ともミスヒールという存在に違和感を感じている。今回の
   人物は間違いなく強者になるという事を直感した。しかも自分達が一切知らない人物だとも。

ミスターT「更にリアミーセとラジーナを強化する。エシェラTA直属のサポートとして存在して
      いるが、今度はシンシアTJと同じGM軍団に所属させる。」
    更に変更を付け加える。今度はリアミーセとラジーナをGMに格上げという事だ。これが
   実現されれば、アレンジではなくオリジナルからのGM出現となるだろう。
   言い換えればGM軍団のリーダー的存在にもなるだろうか。それだけにオリジナルの人物は
   大きな存在であった。
シンシアTJ「マスター、ご質問が。GM陣営というのは、どこの所属なのでしょうか。」
ミスターT「エシェラTBとエシェラTAの真のGMに所属する。GM自体が一同の代表で、その
      GMの代表が真のGMだ。創生者と神の技術を持つ男はこれらには所属しない。」
エシェラTA「ミスEさんは?」
ミスターT「万能的存在、私とミスターMと同系列かな。オールラウンダーという異名から、戦場を
      制する者と言っておこう。」
   今になってミスEの位置付けが決定された。これは一同が心の片隅で思っていた事である。

    ミスターTは創生者、ミスターMは神の技術を持つ男。そしてミスEは戦場を制する者。
   彼女の場合は戦場、つまりリングを制する者だろう。戦いを制する者とも言える。故に先刻の
   行動が厳しいエリシェと同期し、試合を代行したという事実がようやく頷けた。

エシェラTB「凄いですね、GMだけで大勢力ですよ。」
エシェラTA「しかも私達の配下で、戦闘力は皆さんより強い。」
シンシアTJ「ですがマンネリ化が必須ですよ。」
    陣営が増えるという事は嬉しい限りだったが、面々の質が落ちていく事に警戒もしている。
   こればかりはどうしようもなく、その流れはなかなか変えられるものではない。
ミスターT「そこは私達の活躍次第という事だな。」
エリシェTA「やっぱそうなるか〜。」
   この結論は皮肉を込めて述べられる。状況を一番危ぶんでいるのはミスターT本人であり、
   自分を含めての活躍で成長か衰退かが決まるのだ。
ミスターT「まあ何とかなるさ。表向きの活躍はお前さん達に任せるよ。裏向きの行動は私の使命
      だからね。」
エリシェTB「期待していますマスター。」
    何かとあれば愚痴を述べる4人でもあるが、それは一時のストレス発散だ。その後の活躍で
   これらは払拭される。
   愚痴はマイナス面に近い。しかしこれによりやる気がでるのであれば、必ずしもマイナス面
   とは限らないだろう。

    再び自己の役割を再確認する4人。それぞれの使命を胸に、それぞれの戦いへ投じる。この
   流れは昔も今も、そしてこれからも一切変わらない。

    第30話へと続く。

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