アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜
    〜第26話 光と闇の調和〜
    意外な形で味方を得たミスヒール率いる真敵役の面々。役割方から悪そのものではあるが、
   ビィルガ陣営とデュウバD率いる悪陣営には程遠い。
    この2陣営が結託した事により、その絶対悪は揺るぎないものになる。となれば真敵役と
   謳われる彼女達は浮いた存在になるだろう。

    真敵役という役割がビィルガ・デュウバD連合陣営に移ったとなれば、ミスヒール陣営が
   辿り着くべき場所はただ1つ。敵対勢力側である善陣営、ここへの原点回帰である。

ミスターT「ふむ、面白い展開になってきたな。」
    創生者室でGM達が企画を練っている。総勢114人にも膨れ上がったGM陣営。その中で
   ミスターTとミスEは創生者と完全補佐役として省かれるが、それでも112人のGM達が
   存在するのは異様であろう。
ディーラTL「やはり白熱した試合を見せられては、我々も戦いたいものです。」
リュウジNTG「でしょ、そう思うでしょダンナ。」
   リュウジNTGはディーラTLの試合を行いたいという熱意が分かる。真っ先にそう思った
   のは彼であるからだ。
アフィTK「ったく、立場弁えろよアンタは!」
マツミTP「あまりしつこいと、面白い事になりますよ。」
   不気味に呟くアフィTKとマツミTP。その表情に寒けを感じ、リュウジNTGは黙り込む。
リュウジTG「リュウジNTG殿とディーラTL殿が言われる事は分かります。我々は戦いでしか
       存在意義を示せません。」
メアリスTF「しかし我々の存在は一同を牽引する存在。我々がいるからこそ、皆様が活躍できるの
       ですから。」
   凄まじいまでに落ち着いているリュウジTGとメアリスTF。本編でもおしどり夫婦である
   リュウジとメアリス。GMたる2人は更に磨きが掛かっている。

ミスターT「ふむ、その壁を破ってみるか。」
    表の様子を興味心身といった具合に窺うリュウジNTGとディーラTL。その2人に語り
   掛けるはミスターT。GMの一同を牽引する役目という壁を破ろうと述べだしたのだ。
リュウジNTG「マジっすか?!」
ミスターT「無論、それなりの条件付での行動となるが。まあお前さん達にとっては痛手にならない
      だろう。」
   条件付きでの戦闘だと語るミスターT。条件はさておき、戦えるとあって他のGM達の瞳の
   色が輝いている。
ディーラTL「どの様な条件で?」
ミスターT「エシェラTBを補佐する側の役割を担ってもらう。言い換えるなら、第2の真のGMと
      いう位置付けだ。副真のGMとも言える。」
リュウジNTG「了解です。自分とディーラTL氏と担いますよ。」
   条件を聞かされた一同、役割的にかなり束縛されるものだ。しかし戦えるとあれば、この役割
   は担うべきであろう。

    全ての元凶とも言えるリュウジNTG。そして彼に同調したディーラTL。2人がその条件
   を呑み、副真のGMとして動こうと決意する。
    とそこに待ったを掛ける人物がいた。リュウジNTGを抑制させていたアフィTKなどだ。
   条件付きで動けるのならばと、他の面々もやる気満々のようである。
アフィTK「待ちなさいな。公式に動いていいとなるなら、当然あたいも出るぜ。」
ターリュTB「姉ちゃんばかりずるいじぇ、私もでるよ〜。」
リヴュアスTG「条件は厳しいですが、戦えるとならば話は別。私も担います。」
   ミスEはエシェラTBの補佐で動いており、ミスターTを除く112人のGMがここにいる。
   その全員が条件付きで試合を望んだのだ。これは予想外の結果であり、切り出した彼は呆気に
   取られるしかない。
ファナTD「こうなったら全員でロイヤルランブルやるしかないね。」
ミュリアTQ「それ賛成〜。」
   若手のGM達が現状を把握し、頂上決戦を行おうと切り出す。それに一同は賛同するが、一部
   の古老のGM達は渋り顔になる。
リュウジTG「ふむ・・・全員でとなると少々厄介になるな。」
トーマスCTG「ここは若手に任せて、我らは抑えるべきでしょう。」
   一同の中で年輩のトーマスCTG。他にも年輩クラスのGM達は自ら辞退をする。長年の経験
   から、長引きそうな駆け引きからは手を引いた。無論本心は戦いたいだろうが、ここは戦闘
   などの経験が浅い若手に譲るのだった。

ミスターT「残ったのはこのメンバーか。」
    その後も詳細に人選を行い、本当に戦いたいメンバーだけを選んでいく。やはり譲れない
   思いが強いリュウジNTG、彼には及ばないが強い決意があるディーラTL。
   この2人の決意は尋常じゃなく、他の面々からすればかなり強い。そのため両者は試合をせず
   副真のGMに抜擢し、その他の面々でのロイヤルランブルとなった。
    2人以外ではターリュTB・ミュックTQ・シンシアTJ・リュリアTF・アフィTK・
   エシェムLTL・ユウNTC・アイNTS・ダークHTS・エシェツTB・リュヴスTS・
   リヴュアスTG・ラオリアTB・ライディルTW・サーベンTB・チェブレTM・
   ミュリアTQ・トルデュTS・ファナTD・アサミTS・アユミTI・ウィレナTS・
   フィムスTS・ラウファTS・ネシェルTS・デュネムTS・レイナTB・トモミTQ・
   リフィアTB・レイスETKである。
    しかしエシェムLTL・ダークHTS・ウィレナTS・レイナTB・リフィアTBの5人は
   人数が足りず、人員追加呼び掛けでの参戦となった。
ミスターT「どうする。ファナTDの述べたように、ロイヤルランブルで最後に残った2人を抜粋
      するか?」
ライディルTW「妥当だと思いますよ。」
サーベンTB「戦えれば満足ですよ。無論勝利した後の副真のGMも、しっかりと担いますので。」
シンシアTJ「任せて下さいな。」
   抜粋された30人は一気盛んに燃え上がる。この大々的に行われる試合はファナTDが切り
   出した通り、GM達の頂上決戦そのものだ。

    当然この試合をGM陣営だけで済まそうとは思っていない。他の面々にも公表し、観戦して
   貰う事にした。彼らの位置付けは纏め役でもあるが、一同を沸かせる存在でもあるからだ。
エシェラTB「面白い事を考えられましたね。」
ミスターT「いや、私のプランじゃないよ。切っ掛けはリュウジNTGから始まり、ファナTDの
      試合持ち掛けで完成した。」
   特設ロイヤルランブルリング外でウォーミングアップするGM達。普段は裏の存在で位置付け
   られる彼ら、その面々が今からの試合の主役である。
ミスターT(そちらどうだ、上手く動けているか?)
ミスヒール(問題ありませんよ。ターリュSさん達が加勢してくれている事で、悪陣営連合には十分
      太刀打ちできています。)
エシェラTB(しかし、水と油といった間柄な2陣営が連合を組むとは。)
ミスヒール(我々を立ててくれている事は事実ですが、何時まで続く事やら。)
   意思の疎通による会話を2人同時に行うミスターT。相手は今注目を浴びているエシェラTB
   とミスヒールだ。
   渋ってはいるものの、自ら意思の疎通を願いでたミスヒール。エシェラTBとの連携もあり、
   この方が効率は凄まじく優れている。
ミスターT(真敵役全員とビィルガ陣営追加面々が完成しても、この流れは変わりそうもないな。
      エシェラTBが思っていたビィルガ達への花道も、彼らの素性から無意味でもある。
      ミスヒール側が完全な中立的存在になってしまっている。)
ミスヒール(認めたくはないですが、私達が出ようとすると彼らが台頭しますし。私の存在意義が
      薄れている気がしてなりません。)
ミスターT(その時はその時だ。要領がいいお前さんなら、その場の環境に直ぐに順応できる。)
   先刻ビィルガ達と対戦した時から、ミスヒールの心境に変化があった。激怒した事により心で
   封じ込めていた本心が表に出始めていた。
   その結果は言うまでもない。オリジナルエシェラの複製者としての存在、この1点だ。そして
   エシェラTBとも意思の疎通ができている事から、彼女が思う事が自分の事のように思えた。

ミスヒール(不思議な心境ですね。完全悪として誕生したのに、今はその意識は薄らいでいます。
      エシェラTBとの両面一体の存在。光と闇、そう言うべきでしょうか。)
エシェラTB(最初は複雑だったけど、今は貴方がいてくれてよかった。今となっては貴方がいな
       ければ、私1人では活躍できない。)
ミスヒール(フフッ、ありがとう。)
    ミスヒールは思う、穏やかな自分がいると。全役割を一旦置き、素体の自分でエシェラTB
   と向き合っている。そこには怒りもなければ憎しみもない。あるのはお互いを思い遣る、真の
   性格の2人だ。
    そんな2人の心中を察知し、ミスターTは嬉しい限りだった。2人で1人、それが彼女達の
   存在だ。片方が欠けてしまっては成り立たなくる。今の2人は天秤で均一が保たれるが如く、
   非常に優れた状態であった。

ファナTD「マスター、試合の準備整いました。」
ミスターT「了解、始めてくれ。一同健闘を祈るよ。」
    選ばれたGM30人が試合を開始しだす。誰から登場かが不明で一瞬にして落とされる形式
   のロイヤルランブルだ。この試合は間違いなく運の要素が大きく絡むだろう。

    試合に関して述べておく。試合と形式はロイヤルランブル。ルールはない。相手をリング外
   に落とし、最後まで残った者が勝者だ。
   しかし今回は最後の2人が抜擢者となるので、勝者と敗者の両者が優勝となるだろう。実に
   変わった試合内容である。


副真のGM決定ロイヤルランブルバトル登場+試合動画

    (副真のGM決定ロイヤルランブルバトル終了)
    こちらも普段は見れない戦いとあって、白熱した試合が展開された。一撃で落とされる者も
   いれば、数人を落として後に落ちる者もいた。今回は最多撃破は適応されず、残った1人と
   落とされた1人が該当者となる。
   見事30人の中から勝ち残ったのはエシェツTB。落とされたが勝利権があるウィレナTSの
   2人だ。
エシェツTB「やったじぇ、姉ちゃんと戦える!」
ウィレナTS「まさか埋め合わせ参戦で権限が得られるとは、実に皮肉な話ですね。」
   エシェツTBは嬉しがっているが、ウィレナTSはどこか納得がいかない様子だ。しかし勝利
   して権限を得たのは事実であり、試合が出来るという部分では嬉しがってはいる。

    新たに副真のGMとして役割を担う事になったのは、リュウジNTG・ディーラTL・
   エシェツTB・ウィレナTSの4人。ディーラTLを除き、他の3人は交戦的な性格なのが
   目立つだろうか。
ミスターT「今後はエシェラTBと一緒に動いてくれ。おそらく色々と問題が起こるだろうが、この
      4人なら問題なくこなせるだろう。」
リュウジNTG「おうっ、任せて下せぇ!」
ディーラTL「真のGMをサポートする副真のGMが4人か。さながら、エシェラTB嬢の四天王と
       言った所かな。」
   ディーラは意味ありげに呟く。それはオリジナルの自分が本編での部下の事を指している。
   デュウバMI・ラーサー・グランデス・ガードンが該当し、彼らを評してディーラ四天王と
   呼んでいるからだ。
ウィレナTS「今度は私達が四天王になる番ですよ。」
エシェツTB「暴れたるで〜。」
   しかし本編での4人はどちらかというと落ち着いた物腰の人物だ。だが今は自分を除けば、
   かなり危ない雰囲気を持つ。これでは纏まりきれるかと不安にもなるディーラTLだった。

ディーラTL「ではよろしくエシェラTB嬢。」
    結局、四天王と呼ばれる存在のリーダーはディーラTLになった。他の3人はただ戦いたい
   だけのようで、こういった纏め役は苦手のようだ。
   一同を代表してディーラTLが挨拶する。本編の彼もそうであるが、軍団を率いているスキル
   は無駄ではない。
エシェラTB「よろしくお願いします。」
   一方エシェラTBにとっては、この配慮は非常に嬉しい限りだった。ミスヒール側は意外な
   戦力が追加されたが、彼女の方は1人で動かねばならなかった。
   今となってはミスヒールと一緒に動いた方が無難とも思えたが、役割方長く共闘するのは問題
   が生じる。
エシェツTB「で、姉ちゃん。何から戦えばいい?」
リュウジNTG「俺達は嬢ちゃんの手駒そのものだ。策略は無理でも戦闘なら任せてくれ。」
エシェラTB「え・・え〜と、今の所はありませんので・・・。」
    やる気満々に戦いを望む3人。その3人を見つめ、ディーラTLは溜め息を付く。また4人
   のリーダーであるエシェラTBも同じく溜め息を付くしかなかった。
   エシェラTBの言葉に不貞腐れる3人だったが、今は牙を研ぎ澄ますのが無難とも判断する。
   ここは我慢して来たるべき襲来者に対応するのだった。

アフィTK「あんな彼の姿、見た事ないよ。」
    エシェツTBやウィレナTSと同じくはしゃぐリュウジNTG。その姿に縁ある者は驚く。
   特にライバルでもあるアフィTKは本編では有り得ないその姿に、呆れ返るしかなかった。
リュウジTG「己の本能のままに動く、それが自分達の姿。彼は一切の柵を除き、有りがままの姿で
       戦っていますな。」
マツミTP「ですね。」
   ロスレヴのリュウジやそのGMであるリュウジTG。彼は一匹狼のリュウジとは全く異なる
   性格である。異性好きな部分はあるものの、落ち着いた雰囲気はさながら紳士そのものだ。
メアリスTF「本当は戦いたくてウズウズしているのが実情ですよ。」
リュウジTG「だなぁ。」
   しかし心中をメアリスTFに見透かされる。オリジナルでもアレンジでも、長年共に過ごして
   いる時間が長い。お互いをしっかりと把握し切っていた。

トーマスCTG「ところでマスター、次はどうなされるので?」
ミスターT「待つしかないさ。」
    一同それぞれに戦いを展開している。その面々を見つめ、トーマスCTGがミスターTに
   問い質した。それに応じる彼だが、流れるがままにしかできないのが実情だった。
   一服しながら新しい面々の作成を続けるが、効率の方は非常に低いようだ。
ミスターT「完全な出尽くしだ、プランが思い浮かばない。」
トーマスCTG「それでもよく頑張れましたよ。今は長い休息も必要ですぞ。」
ミスターT「確かにそうだがね、でもここが踏ん張り時だ。一同を究極への沸き上がりに導くには、
      私自身がより一層努力せねばね。」
   己のためであるだろうが、あえて一同のためと言い切る。彼の挑戦はまだ終わりに近づいては
   いない。むしろ始まったばかりと言うべきだろうか。

ヴィフェンTC「む、マスター。動き出したようです。」
    言葉にはするが、実際に動く事はできずにいた。仕方がなく一旦休憩をして、GM達と会話
   をしだすミスターT。
   そこにヴィフェンTCが声を掛けてくる。どうやら動きがあったようだ。一同はそちら側に
   集中し、事の行く末を見守る。

    動き出したのはビィルガ・デュウバD率いる悪陣営連合。彼らは再び無差別攻撃を開始。
   その標的となったのは善陣営の面々だ。今や真敵役の存在となり、一同にとって脅威の存在で
   ある。
ビィルガ「騎士団が聞いて呆れる、所詮烏合の衆だな。」
デュウバD「潰れちまいな!」
    善陣営の面々は新たな勢力を作った。戦闘力が強いフリハトの面々をリーダー格として、
   それに所属するロスレヴ系列。他は伝秘ウイブレ系列・一匹狼系列・メカノイド系列、そして
   新陣営の流界ベルムカル系列が所属している。さながらフリハトの本編にある騎士団を彷彿と
   させていた。
    その彼らに襲撃をし、暴言を吐き散らしていた。凶器での攻撃は当たり前で、とにかく交戦
   を続けていったのだ。
    当然やられてばかりはいられない。特に騎士団という一念を大切にしている面々にとって、
   この暴言や暴挙は凄まじいまでの侮辱だ。相手同様、徹底抗戦を開始しだした。

    試合に関して述べておく。試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・6マン
   タッグ3対3。ルールはKO・ギブアップ・DQが適応、リング設定はヒート。
   対戦する面々だが、襲撃側はビィルガ・デュウバD・ゼラエル。対する反撃側がラーサー・
   グランデス・ガードンだ。


逆襲イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画

    (逆襲イリミネーション・タッグバトル終了)
    辛くも勝利した騎士団の面々。しかし相手の勢いは留まる所を知らない。試合が終わった
   3人を襲撃し完全に潰し続けた。
   この暴挙には善陣営全員が激怒し、悪陣営連合に猛攻撃を開始しだす。凄まじいまでの修羅場
   となり、当たりは騒然と化した。
ミスターT「・・・何だか大変な事になってるな。」
    流石のミスターTも、この惨状に顔をしかめる。自分が動き出そうとするが、意思の疎通に
   よりエシェラTBとミスヒールにその役を任せた。2人は有無を言わず行動に移し、一同の
   仲裁役を買って出た。

エシェラTB「止めなさい貴方達!」
ミスヒール「この現状は呆れるにも程がある。」
    エシェラTB達、真のGM軍団。そしてミスヒール達、中立軍団。この場合は真の中立軍団
   と述べるべきだろうか。この2陣営が協力し、暴れる面々の抑えに入る。
メフュレーナ「マスター邪魔しないでくれ!」
ヴュオリーア「こいつらの行動は卑怯すぎる!」
ビィルガ「何と言われようが突き通すまで、悔しかったら応戦するんだな。」
デュウバD「邪魔する奴は容赦しないよ。」
   再び乱戦に入りそうになる所にエシェラTBとミスヒールは実力で止めに掛かる。
    善陣営の面々は彼女達の言葉にある程度の抑制は効く。しかし悪陣営連合はそれが一切効か
   なかった。ともなれば、実力行使で止めるべきは悪陣営連合。
   2人はこの陣営のリーダー格であるビィルガとデュウバDに襲い掛かる。凄まじいまでの勢い
   で相手に掴み、ダッシュによる強烈なスピアーを食らわせた。2人は一発でダウンする。

    そこに襲い掛かるはゼラエル・ベロガヅィーブ・ライガスの3人。攻撃後の状態である2人
   の娘達は不意を突かれようとした。
   そこに現れて反撃するはターリュSとミュックS、そしてリュウジNTGである。攻撃して
   来る3人を掴み、相手の力を利用して思いっ切り投げ飛ばした。
    突然現れた加勢者に3人は為す術なくカウンタージャーマンスープレックスを食らった。
   巨体を誇るゼラエル・ベロガヅィーブ・ライガスは空中へと放り投げられ、そのまま勢いよく
   床へと叩き付けられる。
    後方支援は任せろと見栄を張る支援者達。その彼らにエシェラTBとミスヒールは小さく
   頭を下げた。

    その後はエシェラTB・ミスヒール達に目標が移った悪陣営連合。しかし相手は歴戦の強者
   揃い、相手としてはかなり厳しい状態だった。
   真のGM連合は僅か短時間で主犯格の面々を撃破、一旦は場の雰囲気が元に戻る。いや、半ば
   強引に戻したと言うのが正しいだろう。
エシェラTB「この場合はしっかりとした試合を行わないといけませんね。」
ミスヒール「ここまで膨れ上がった憎悪を消すのは容易じゃない。一番の問題は、こいつらが応じる
      かどうかという事だ。」
   グロッキー状態の悪陣営連合のリーダー格。その面々を見つめ、エシェラTBとミスヒールは
   溜め息を付く。起き上がれば再び襲撃の繰り返し、ならばいっその事引導を渡してやろうとも
   思っていた。
    案の定その心中をミスターTに察知され、遠巻きに観察する彼の意思の疎通で叱咤される。
   この過激な部分はオリジナルエシェラそのもの。特に彼女の妹であるエシェツの影響が強い。
ヴィフェン「マスター、ここは我々に任せてくれ。」
ディーラ「本編からは離れているが、騎士団を馬鹿にした報いは受けてもらう。」
ユキヤM「騎士団と言う意味合いは分からないが、レイヴンと同じものだろう。それをコケにするの
     ならば俺も容赦しない。」
エシェラTB「了解、後は任せます。」
   全く異なる陣営の面々がタッグを組む。ロスレヴ系列からはユキヤM、伝秘ウイブレ系列から
   はヴィフェン。そして騎士団の意が流れる本家フリハト系列からはディーラ。
   このタッグは異種そのものだろう。しかし異体同心がなされており、その団結力は凄まじい
   ものがある。

ビィルガ「ぐっ・・・なめた真似を・・・。」
    徐に起き上がるビィルガ達。近くにある凶器を手に持ち、再戦を望むヴィフェン達に襲い
   掛かろうとする。しかしそんな彼らの身体に異変が起こる。どことなく息苦しくなり、身動き
   が取れない状態になった。
ミスターT「一応は現状の流れを弁えなよ。」
   創生者ことミスターTの奥の手である黒いカード、それを数枚を手に持ち軽く圧力を掛けて
   いる。あまりにもの惨状に業を煮やした彼が、一端の抑え付けでカードの力を使っていた。
デュウバD「クソッ・・・卑怯な・・・。」
ユキヤM「貴様等が口にする言葉じゃない、正々堂々と戦ってから語るんだな。」
   苦しむ彼らに激怒するユキヤM。そもそも襲撃をしてきたのは悪陣営連合である。デュウバD
   が語った言葉はあまりにも矛盾過ぎた。
エシェラTB「どうします、ヴィフェンさん達と試合を受けますか?」
ミスヒール「それとも、カードを捻じ切ろうか。私的には後者の方が面白そうなんだがね。」
   対等の条件を呑むかどうか、エシェラTBが問い掛ける。対するミスヒールの方はその条件を
   呑まなかった時の結末を語る。不気味にニヤつく彼女に、一同は完全に引いていた。

    ビィルガ達は無条件で対戦に応じるしかなかった。最悪の事態を想定しての、彼らなりの
   判断だろう。特にミスターTは一同を見定めて動いているが、ミスヒールの方は完全に撃滅を
   考えている様子。彼が止めても彼女は動くだろう。それは否が応でも頷ける。
    一旦体力が回復するのを待ってから、試合に応じると述べる悪陣営連合。今はただ試合を
   行うだけしか彼らには許されていなかった。

ミスターT「また使ってしまったな。」
エシェラTB「でも助かりましたよ。」
    一服しながら呟くミスターT。黒いカードと禁断の力は創生者たる彼の究極の武器。他の
   面々には絶対に扱えない代物だ。
   渋っている彼だったが、その場を対処してくれた事に感謝するエシェラTBとミスヒール。
   真のGMや真中立の立場、これらを以てしても対処できない事があると痛感する2人だった。
ミスターT「お前さんならやりかねないな、これを破る事は。」
   例の強固なケースに丁寧にしまう黒いカード。それを更に強固なレザーパックに収める彼。
   そんな中、先程のミスヒールの言葉を振り返った。
ミスヒール「フフッ、ああでも言わないと動きませんでしたよ。それに、その2つの力はマスター
      ご自身でしか扱えない。私には触れる事もできません。」
エシェラTB「所詮自分達はマスターから誕生させて頂いた身。貴方には絶対に逆らえませんよ。」
ミスターT「真のGMを担っていた頃が懐かしい。今は創生者一辺倒で楽ではあるが、逆に肩身が
      狭くなった事この上ない。私から言わせてもらえば、お前さん達が羨ましい限りだ。」
   結局はそこに行き着くのかと、彼の言葉を聞いて2人はそう思った。しかし彼の存在がそれを
   許さない。一時的な行動はできたとしても、大々的に動く事は厳しいものがあるだろう。
   今の現状、一番苦しんでいるのはミスターTなのだ。

エシェラTB「伝わりますか、一同の重みを。」
    試合開始を待つ3人。ヴィフェン達は既にリング上でスタンバイしており、後はビィルガ達
   の試合に応じるメンバーの人選で決まる。
   そんな中、黙り込んだミスターT。その彼を見たエシェラTBとミスヒール、以前オリジナル
   エシェラに語っていた言葉を思い出した。
ミスヒール「それこそ無駄な気がしますけど。」
ミスターT「我が子が傷付き悩んでいるのを分かち合えない親は失格だ。私も一同と一緒に戦って
      いるからね。」
   あくまでも一同を見定めて動くミスターT。心中には不動たる決意が座っていた。その彼を
   見た2人は、役割的にせよビィルガ達を見る目が冷ややかだった事を悔やんだ。
    そんな2人の肩を両手で抱き小さく叩く。2人の心中は直ぐさま彼に察知され、同時に彼の
   心の重さとなってもいた。
ミスターT「大丈夫さ、前を見定める心さえ見失わなければね。」
   意味深げに語るミスターT。しかし進むべき場所は見定めており、悩む事はあれど止まる事は
   一切しない雰囲気だ。だからこそ、一同が驚くほどに強いのであろう。

ウィレナTS「マスター、決まりました。」
エシェツTB「レイスB・デュヴリス・レイデンヌが対戦者だよ。」
エシェラTB「了解です。試合を開始するよう、皆さんに促して下さい。」
    現状報告に訪れたウィレナTSとエシェツTB、それに応じるエシェラTB。2人はその事
   をリング上で待機中の面々に伝えに行った。
ミスヒール「また強い人物だけ集めやがって・・・。」
    ミスヒールの言う通りだった。悪陣営連合の猛者と言えば、フリハト系列のラスボスの3人
   とデュウバDやレイスBぐらいだ。率先してヒールに演じているデュウバDだが、前者である
   フリハト系列ラスボス3人組は殆ど応じない。
    悪陣営連合と言っても率先して戦うのは一部の面々であり、他の面々は遠巻きに付き合う
   程度の感覚でしかいなかった。
リュウジNTG「一部の悪陣営はビィルガとデュウバDの行動に反感を感じているようで。あれだけ
        やりたい放題すればねぇ、愛想尽かれるのがオチだ。」
ミスヒール「この連合は長く続きそうにないですね。」

    以前デュウバDが現れる前にビィルガ達が悪陣営と結託した事があった。その時も結末は
   悪陣営の面々を捨て、再び元に戻ったビィルガ陣営だった。
   今回も当時と同じ状態になりつつあり、このままでは空中分解するのは目に見えている。
ミスターT「あれだけ頑張っておきながら、やはり元の鞘に戻るか。特にデュウバDの牽引する姿勢
      には感心していたが。」
ミスヒール「だってマスター、真の悪役として作られたのは彼女でしょ。その彼女がベビー思考に
      なりつつあって、そこにエシェラTBが悪役を担い私が誕生した。」
エシェラTB「本来私達は誕生すべき存在ではなかったのかも知れません。しかし、原因を作って
       くれた事には感謝しています。ビィルガやデュウバDにも、そして貴方にも。」
   色々な要因が重なって、今の状態になっている。それは紛れもない事実。本来は恨むべきで
   あろうが、彼の前ではそれはできない。

ミスターT「ありのままの姿、か。ならミスヒールを独立させる。悪いがお前さんはいい意味で極の
      ヒールには成り切れていない。完全に染まる前に足を洗わせるよ。真敵役のリーダーは
      リアミーセと後1人を含む3人を除く、12人を新たに作るとする。」
    意外な事を語りだしたミスターT。ミスヒールの存在意義が一瞬にして崩れ去った瞬間でも
   あろう。と同時に新生したとも言っていい。その内容を窺い、ミスヒールやエシェラTBは
   驚いた。
ミスヒール「また何とも・・・。」
エシェラTB「でも嬉しい限りです。これで誰からも厄介がまれずに彼女と組めます。」
   これが実現される場合、エシェラTBにとっては嬉しいものだろう。今となっては表裏一体と
   なっている2人。そこに一切の柵が消えれば、間違いなく最強のペアとなる。
ミスターT「問題は、その名前と表情だ。既に2試合ばかり展開しているしな。」
エシェラTB「たった2試合じゃないですか、十分修正できると思いますが。」
ミスヒール「また面白い事を・・・。」
   ふと本音を漏らすエシェラTB。その考えは創生者の彼の意見を、彼女から述べているような
   ものであろう。それを聞いたミスヒールは呆れ返ったが、自分らしいと小さく笑う。

ディーラTL「マスター、試合はそのままでいいのでは。今の現状を変更するだけで十分でしょう。
       現にロジック変更前の貴殿と、ロジック変更後の貴殿の試合が存在している。これを
       踏まえれば全く問題はないと思われますよ。」
    試合に関して何やら揉めだし、それにより開始が若干遅れだしている。その合間を見て、
   ミスターTが先程述べた件をどうするか悩んでいる。
   それを見かねたディーラTLが助言をしだす。それは彼が考えてもいる、1つの現状維持と
   同じだった。
ミスターT「そうだな、お前さんの意見を尊重するよ。」
ディーラTL「それに、マスターは一体誰なのです。誰が何と言おうが創生者その人。貴殿が決めた
       事は絶対的であり、我々は反論できませんよ。それに2つの壮絶な力を持っている。
       これらを駆使すれば、マスターの思うがままに動けるでしょう。」
ミスヒール「そうだねぇ。」
ミスターT「ハハッ、恐ろしい事を言ってくれるな。」
   ディーラTLの発言はもっともな意見だった。彼の存在を重視すれば、誰も反論はできない。
   逆に何かを言う者がでるなら、力によって抑えつけろとも語っている。これにはミスターTは
   唖然とするしかなかった。
ミスターT「私は真のGMどころか、創生者すら似合わないかも知れないね。決断力の鈍さが一番
      尾を引いている。」
ディーラTL「何を仰いますか。貴殿ほどの思い遣りがある人物以外に誰が創生者を担えましょう。
       マスターがいらっしゃったからこそ、我々が存在できている。今もこうして戦えて
       いられる。」
ミスヒール「感謝していますよ。だからこそ、貴方には今のままでいて欲しい。悩める時は私達が
      補いますよ。」
ミスターT「フフッ、ありがとな。」
   彼は一同に感謝した。ここまで慕ってくれているのなら、最大限応えるべきあろうと。

    常日頃から原点回帰は起きている。以前彼が述べていた名言だ。その瞬間を今体感した。
   ある時は己自身の発言で、またある時は大切な家族に指摘されて。
   ミスターTは常日頃から一同に呼び掛けている事柄、それを今度は彼らからレミニッセンスを
   果たしたのだった。

ミスターT「修正完了。」
ミスヒール「も・・もう終わったのですか・・・。」
    それから数分した頃か、ミスターTが作業の終了を述べる。あまりにもの早い時間に、一同
   は驚いた。
    手帳から黒いカードに反映、新しい人物を登場させる。位置付けからリアミーセと同じく、
   ミスヒールの補佐となる人物だった。
ミスターT「まずは新キャラ、ラジーナだ。」
ラジーナ「よろしくお願いします。」
   これが真敵役かと思うぐらいお淑やかで清楚な雰囲気だ。顔も前者2人と異なり穏やかで、
   例のペイントは施されていない。

ミスターT「で、ここからが本番だ。ミスヒールとリアミーセを一瞬でメタモルフォーゼさせる。」
    そう述べると修正された2人を手帳から黒いカードに反映、直後その場にいる両者が一瞬に
   して変わったのだ。それも前の雰囲気からは180度というものだった。
ミスターT「リアミーセは名前はそのまま、しかし異名と衣装・表情などは一新した。当然極ヒール
      設定はなくし、極ベビー設定にしたよ。」
   衣装が幾分か明るくなり、髪の毛もロングヘアーになっている。やはり目立つのは表情で、
   以前のヒール思考の彼女とは到底思えない。
ミスターT「ミスヒールは更に劇的変更か。衣装・表情・ヒール設定もそうだが、名前が元に戻った
      と言うべきだろう。今はミスヒールではない、エシェラTAとなる。」
   ミスヒールことエシェラTA。ベースとなる筐体はそのままだが、例の黒いペイントはない。
   衣装は相変わらず黒一色だが、それでも以前のような暗さはなくなっていた。

リアミーセ「何だか自分ではないようです。」
    変更された己自身を鏡で見つめ驚く2人。両者とも喋り方が変わっており、明るくなって
   いるのが印象強いだろう。
エシェラTA「リアさんがアームスキッパーで、私はアンガーマインドですか。」
ミスターT「リアミーセのは悪魔が掲げられていた。これではあまりにも酷すぎる。まあ酷い話だが
      間に合わせでな、アームしか思い浮かばなかった。エシェラTAのは悩む事なく思い
      浮かんだよ。エシェラTBとは殆ど相反する力、善なる力だが怒りの部分。ともなれば
      アンガーマインドしかない。」
   言葉では怪訝さを示しているが、当の本人は嬉しそうである。普段では全く見せなかった、
   明るい表情での笑顔が輝いていた。

ディルヴェズD「これで我らの役目は終わりましたね。」
メルシェードT「再び独立した勢力を保ち、ビィルガ・デュウバDと抗戦しますよ。」
    ヒール思考のミスヒール・リアミーセが消滅した現在、彼らをサポートする面々は一旦解散
   となる。引き続き戦闘継続を希望するターリュS・ミュックS。無論ライディル・サーベン・
   チェブレ・オルゼン・コウキ・コウジの6人も同じだ。
    しかし元からヒール思考のディルヴェズDとメルシェードTは、その存在意義がなくなる。
   だがヒール思考となっているが、ビィルガ・デュウバDと比べれば中立的存在であろう。
エシェラTA「あの、ありがとうございました。」
   エシェラTAが深々を頭を下げてお礼を述べる。以前の彼女では有り得ない行動だ。
ディルヴェズD「今度は対戦側になる事を望みますよ。」
メルシェードT「失望させないで下さいね。」
   言葉では厳しい事を述べてはいるが、表情は普段の彼らとは全く異なる。穏やかで優しさが
   あり、オリジナルの2人と何ら変わらないものだ。
    2人も同じく彼女に会釈し、その場を去っていく。中立的存在から闘神へと覚醒しつつある
   両者、その背中からは凄まじいオーラが発せられていた。

ターリュS「姉ちゃん変わったねぇ〜。」
ミュックS「んだんだ。」
    今後どのような行動をするのか、エシェラTA達はエシェラTBと作戦会議を行う。その
   2人を見つめ、ターリュS・ミュックSが呟いた。
ミスターT「お前さん達のダダこねがなければ、彼女は覚醒しなかっただろう。結果的には2人も
      一役買っている。」
ターリュS「マスター、そう分かっているなら早く言ってよ〜。」
ミュックS「酷いよねぇ〜。」
   誉められ照れ臭さを愚痴として返す2人だが、表情は満足そうなものだった。
ライディル「本陣の流れに属するのが我々ですが、このまま2人の陣営として続けますよ。」
ミスターT「そうしてくれるとありがたい。ロスレヴなどは今の面々でも十分勢力が保たれている。
      あえて合流せずに別の弱い陣営を守る側がいいだろう。」
コウキ「任せて下させぇ!」
コウジ「真のGMとはいえ、幼子2人だけでは参るでしょう。リアミーセ殿とラジーナ殿を交えた
    4人の護衛、これが今の自分達にできる事ですから。」
   戦闘力は互角であれど位置付けからすれば2人の女傑は娘同然の年代だ。コウキはラオリア、
   コウジはイリュシェアの娘がいる。殆ど変わらないものだろう。

エシェツTB「マスター、やっと試合できますよ。」
エシェラTB「了解です、始めて下さい。」
    その後更に暫くして、エシェツTBから試合のゴーサインがでた。何を渋っているのか、
   ビィルガ達は試合設定などを再度確認したりと不審な行動が見られた。
   しかしこれはミスターTからの意思の疎通による、裏工作をする時間稼ぎに過ぎなかった。
   この場面などを窺えば、真敵役はミスターT自身になるかも知れない。


報復イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画

    (報復イリミネーション・タッグバトル終了)
    まずは試合内容を述べよう。次の通りだった。試合はイリミネーション・タッグ、形式は
   トルネード6マンタッグ3対3。ルールはKO・ギブアップ・DQが適応され、リング設定は
   スマックダウン・Aでの試合だった。
    報復する側のメンバーはヴィフェン・ディーラ・ユキヤM。リーダーはユキヤMが担う。
   対する側はレイスB・デュヴリス・レイデンヌ。強さだけならかなりの猛者だ。

    結果は言うまでもないだろう、報復側のユキヤM達の圧勝だ。しかしレイスB達も決して
   弱い訳ではなく、相手にかなりのダメージを与えてもいる。
   だが団結からユキヤM達に軍配が上がったのは火を見るより明らか。純粋に戦いに投じられて
   いない証拠だろう。

    そしてこの結果で完全に陣営が分かれた。デュウバD・レイスB・デュヴリス・レイデンヌ
   から足を洗った悪陣営の面々。更にビィルガ陣営も離れ、これにより前と変わらない状態に
   なる。
ユキヤM「位置付けはともかく、元からクリーンな試合を展開すればいいものを。卑怯な事を続け
     れば、愛想尽かれるのは分かり切った事だろうが。」
   悪陣営連合が空中分解した事を窺い、ユキヤMは皮肉を込めて語った。
    最初の頃の悪陣営はデュウバDがしっかりしていた。それにより団結ができ、クリーンな
   バトルが行えていた。その後ビィルガ陣営が合流し、更にクリーンさに磨きが掛かった。
   だがその合併が衰亡の一途を辿る事になるとは、実に皮肉な話である。

    ビィルガ陣とデュウバD陣は何も言い返せない。彼が語った通り全て真実だからだ。また
   デュウバDの団結心を信じて動いていた悪陣営の面々。彼女の離反とも言える行動に、驚愕の
   表情を浮かべるしかなかった。
   だが離反と述べてはいるが、愛想を尽かし離れたのは悪陣営の面々。彼らの方からデュウバD
   から離れたと言っていいだろう。

ゼラエル「結局こうなるのか。」
ベロガヅィーブ「元の鞘に収まる、といった感じだな。」
    離れたとは言え、悪陣営の面々は相当のダメージを受けた様子。自分達は全てデュウバDに
   任せっ切りで動いていた。故にこれからどうすればいいのか、深く思い悩んでいるようだ。
ディルヴェズD「言っただろうが、後々必ず返ってくると。」
メルシェードT「自業自得と受け止め、これから貴様等だけで動くんだな。」
   情け無用と言った感じで述べるディルヴェズDとメルシェードT。完全な悪として生まれ出た
   2人。しかし心中の見定めはビィルガ達やデュウバD達よりもしっかりしている。だからこそ
   ここまで言い切れるのだろう。
ディルヴェズD「間違っても手など貸さない。貴様等の犯した罪の償いは、貴様等自身で行え。」
メルシェードT「今まで通り襲撃を企てるのでそのつもりで、悪役さんよ。」
    2人にリーダーを任せられないかと思った悪陣営だったが、その彼らの心中を見透かして
   一蹴する。自分で蒔いた罪の種は自分で摘み取れと豪語した。
   厳しい発言をする2人だが、彼らなりの思い遣りなのだろうと思える善陣営の面々だった。

    ミスヒールがエシェラTAとして新生し、完全な真の善役となった現在。他の2人も真敵役
   から真善役として生まれ変わる。と同時に悪陣営連合は空中分解し、ビィルガ陣・デュウバD
   陣・悪陣営と分かれた。

    再び振り出しに戻った現在。今後のがどうなるか、一同は注意深く様子を見るのだった。

    第27話へと続く。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

戻る