アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜
    〜第17話 企画案と代理レフリー〜
    ストーリーの枠を越えて1020人が集うこの場。しかも女性陣の割合が圧倒的に多く、
   完全なハーレムに近い。しかし戦闘力だけを見れば、その半数以上が最強クラスである。
ヴァルラーム「まあ・・・何というか・・・。」
    自分の娘達、そしてその家系に纏わる人物を見回すヴァルラーム。その子孫達は全員女児で
   あり、男児が1人もいない。本当の直系の血筋ではない人物で2名ほど男児がいるが、それ
   でも圧倒的に女性の割合が多い。
ディルヴェズ「俺よりもヴァルの血筋が強いという現れだよ。」
エシェツ「だね〜。」
   血は繋がっていなくとも、エシェツとエシェラ姉妹もディルヴェズ達の家族そのものだ。特に
   目立つのが、ディルヴェズが2人と普通に接しているという点であろう。彼を知る女性陣は、
   その自然体に羨ましそうに見つめてもいた。
ルデュファス「お母様よりも仲がいいですね。」
ヴァルラーム「悔しいけど、ディルの初恋の相手はエシェツ様ですし。」
   ヴァルラーム自身もそれは認めているようだ。しかし数千年夫婦という間柄か、ディルヴェズ
   の方はしっかりと割り切っている様子である。

    そしてもっと驚くべき事実が、この23人の魔法に関する属性の神々であろう。その全員が
   ディルヴェズの側を離れようとしないのだ。
エシェラ「こちらはこちらで凄いですけど・・・。」
キャンサルニーヴ「我々はディルヴェズ様に属性の神々として創生させて頂きました。こうして存在
         していられるのは全てマスターのお陰です。我々とディルヴェズ様は一心同体。
         マスターに降り掛かる火の粉は全て薙ぎ払います。」
   凄まじいまでの闘気を出す23の神々。ディルヴェズに何かあれば、間違いなく23人が反撃
   をするであろう。
    オールロスレヴ系列よりも幾分か人数が少ないオールフリハト系列。しかし戦闘力に関して
   は遥かに凌駕しており、強さだけなら間違いなく最強であろう。
ディルヴェズ「まあ創生してくれたのはマスターですけどね。本来ならマスターを守護するのが、
       本当の役目だと思うけど。」
エシェツ「それは言わない約束っしょ〜。」
   本来の役割を述べ愚痴をこぼすディルヴェズ。そこに間隔空けずにエシェツが突っ込む。その
   コンビの良さは凄まじいものである。

コウキ「ふむ、マスターも面白い事をなされる。」
ラオリア「だねぇ〜。」
    こちらはフュチャレヴ系列のコウキとラオリア。その家系も全て女児であるが、トムHや
   ゴウの異名であるデンジャラスガンナーを受け継ぎ、戦闘力はかなり強いレベルである。
エリス「お祖父様のお力が偉大なのですよ。」
ユリ「そうだよ。」
リオ「お祖父ちゃんがいなければ、私は生まれなかったし。」
   複雑な心境で孫達を見つめるコウキ。そんな彼の元にミスターTが歩み寄ってくる。
ミスターT「本来なら、お前さんは別の名前になるはずだった。それにデンジャラスガンナー直系の
      後継者でもなかった。だがフュチャレヴを考案する前後にな、私の本当の叔父さんが
      亡くなられてね。その名前を肖り、お前さんを誕生させた。」
   本当の秘められたる話を知り、コウキは更に複雑な心境になったようだ。しかし己が誕生した
   経歴は、ミスターT本人の本当の逸話によるもの。それを踏まえた時、コウキ本人も己の存在
   がどれだけ大きなものなのかを知ったのである。
ミスターT「本人と似せようと思ったんだが、やはり瓜二つには作れなかった。まあそれはそれで
      仕方がない事なのだがね。」
   一服しながら語るミスターT。現実面を振り返っているのか、普段以上に和やかな彼である。
ミスターT「お前さんを見ると、叔父さんを思い出さずにはいられない。そして脳裏には生き様を
      残せとも響く。別でお世話になっている恩師という人物もそうだが、お前さんにも敬意
      を表するよ。」
コウキ「・・・勿体ないお言葉ですマスター。」
   男泣きをしているコウキ。それだけミスターTの言葉が彼の心に響いた証であろう。彼の娘達
   も同じく貰い泣きをしていた。

リュウジN「そうすると、俺はコウキ氏がいたからこそ誕生した存在ですな。」
ミスターT「そうだな。叔父さんもトラック野郎だったからね。それを完全に再現したのがお前さん
      という事になる。」
リュウジN「俺よりコウキ氏の方が役柄が合いそうですな。」
    落ち着いた頃を見計らって、伝秘ウイブレのリュウジNが切り出してくる。彼の本編での
   位置付けはトラック野郎である。現実でのミスターT本人が叔父さんから受けた影響が大きい
   だろう。
アフィ「あんたは番長や組長の方が似合うよ。」
リュウジN「がぁ〜、またそれかぁ・・・。」
マツミ「フフッ。」
   リュウジNはアフィの語る通り、外見から窺えば番長や組長の方が断然似合うだろう。それを
   聞いたミスターTは声高らかに笑う。彼が笑うのは珍しい事である。
ミスターT「お前さん達がいてくれて感謝している。私なりの生き様を残せたからな。もちろん、
      これで止まるつもりは毛頭ない。更に高みを目指して突き進むよ。」
   今後の新たな決意を胸に秘め、ミスターTが一同に語る。その彼の言葉に力強く頷くコウキ。
   またリュウジNとアフィも同じく頷いている。

ミスターT「さて、どうするかな。」
ゼラエル「どうするかなってダンナ・・・、ダンナが決めてくれなければ俺達は動けませんぜ。」
ミスターT「いや、1020人を達成した時点で気抜けしてね。今後も続ける意欲はあるんだが、
      今は休憩したい気分だよ。」
    再び一服しながら語るミスターT。ゼラエルの催促にも直ぐには動こうとしない。しかし
   腹は据わっているらしく、今はただ休憩したいといった形である。
デュウバD「マスター、また暫く休憩を取りますか?」
ミスターT「そうだな、そうして貰えると助かる。その間に次の試合などを組んでおくよ。」
   と語りつつ、控え室の方へと向かっていくミスターT。どうやら本当に気抜けしており、今は
   休憩が優先だと誰もが判断した。

    強行的に試合を行おうとすればできる面々だったが、真のGMであるミスターTがあの調子
   である。ここは素直に休憩を取る事にした。

ターリュS「何か兄ちゃん変わったね。」
ミュックS「落ち着いたというか何というか。」
メルアW「普段の重圧から解放され、本当に休息を取りたいのよ。今まで激務の間を取って、私達の
     試合を組んで下されたようだし。」
    軽食を取り休憩するターリュS・ミュックS・メルアWの親子。その他の面々も再び軽食を
   取り、休憩や仮眠を取っている。
ユウN「ねぇねぇ兄さん、私達でマスターの負担軽くできないかな。」
ユキヤN「う〜ん、そうだな・・・。試合の持ち掛けをすれば負担が軽くなるかも知れない。」
アイN「私達で試合考えて持ち掛けようよ。」
ユキヤN「でもなぁ・・・どんな試合なら皆さんを活気立たせられるか。」
   普段からコンピューターを扱っているからか、手持ちのハンドコンピューターを取りだす。
   そして何やら操作を開始する。端から見ればプログラマーである。

シェガーヴァ「ほほぉ、かなりのやり手ですな。」
    手馴れた手つきでコンピューターを操作するユキヤN。それを見たオールロスレヴ系列の
   サイボーグ、シェガーヴァが興味深げに窺っている。
ユキヤN「一応これでもプログラミングはお手のものですよ。それで偶然にユウMIとアイSが誕生
     しましたし。」
シェガーヴァ「草創期の私みたいですな。」
ユキヤ「俺とは正反対だね。」
   ブラインドタッチも慣れたもの。シェガーヴァと対話しつつ、コンピューター操作をする。
   その姿を見たもう1人のユキヤは、自分とは全く性格が異なると告げた。
ユキヤN「ハハッ、ユキヤさんは持ち前のキレの良さと心の強さがあるじゃないですか。」
ユキヤ「いやいや、それほどでもないよ。」
   お互いに謙遜しあう所は両者とも全く同じである。だからこそ、双方の陣営でも慕われるの
   だろう。
レイシェム「ユキヤN様、何かお手伝いする事はありますか?」
ユキヤN「え・・・え〜と、ではこの表を纏めてくれますか?」
レイシェム「了解です。」
    シェガーヴァと同じサイボーグのレイシェムも参戦。プログラマーとしての熱意に惹かれ、
   何か出来ないかと切り出してきた。
   オールロスレヴ系列で最強の頭脳を誇るシェガーヴァとレイシェム。この2人が別の世界観で
   生きるユキヤの分身とも言えるユキヤNの行動を手伝いだす。実に不思議な光景である。

ゼラエルD「三大ゼラエルとはよく言ったものだ。」
    自分や他のゼラエル2人を見つめ、ゼラエルDが呟く。他の陣営では珍しく、3人とも表情
   が殆ど同じである。
ゼラエル「俺達が組めば敵無しだぜ。」
ゼラエルG「フフッ、頼もしい限りで。」
   悪役代表格の3人。アマギDAやベロガヅィーブも含め、悪陣営の面々には濃いキャラクター
   が多い。
ゼラエル「しかし俺達を見ると、ビィルガ達が普通に見えちまう。」
ゼラエルD「悪役は俺達にこそ相応しかろう。」
ゼラエルG「しかしビィルガ氏がいてくれたからこそ、自分達が団結できたのですからな。」
ゼラエル「難しい話だなぁ。」
   同じ3人が殆ど同じ色声で話すのは脅威そのものだ。使用前使用後の面々を省けば、この姿は
   一同に衝撃を与える。

ミラリア「私達も直系の一族かな。」
フューリエ「だね。ガラリア姉さんやセラリア姉さんなど、みんな私達と血が繋がっているし。」
    レジェレヴのガラリアを筆頭に、デスティレヴのミラリアとフューリエ双子姉妹。他には
   コネレヴのセラリア・テューレア・ファルセイム3姉妹、そしてラストレヴのエラリア。
   コウキファミリーと同じく、7人は全員血が繋がっている。
サーベン「長女嬢は俺と同じく、ロジックが同じですな。」
ガラリア「ですね。以前拝見した時、全く同じ動きをなされていました。」
サーベン「しかし同じ名前でも、ラストレヴのサーベンG氏は俺より強い。」
   体格ならサーベンだが、強さならサーベンGの方が上手である。それはそれで仕方がない事
   なのではあるが。
サーベンG「まあ時が成せる技ですよ。」
チェブレ「今度手合わせ願いたいものですな。」
   サーベンの子孫がサーベンG、当然子孫の方が強くなる確率が高い。サーベンGはライディル
   と同じ戦術を行うようである。
ライディル「ああ、そうか。こういった試合もいいか。ロスレヴ・レジェレヴ・アナザレジェレヴ・
      デスティレヴ・フュチャレヴ・コネレヴ・ラストレヴの猛者と戦うという企画も。」
サーベン「ふむ、確かにいいですな。」
チェブレ「今現在ですと、コネレヴとラストレヴの猛者との戦闘がないか。」
ライディル「チャンピオンではないが、同じ扱いで試合を行えればこれ幸い。マスターに打診して
      みよう。」
   闘士を漲らせて張り切るライディル・サーベン・チェブレの総合チャンピオン。心構えなら
   間違いなく誰も敵わないだろう。
   それに純粋に戦いを楽しむ姿勢は爽快そのもののようで、そこには私利私欲などは一切ない。

ユキヤN「よし、これでいいかな。」
    シェガーヴァとレイシェムの力を借りて、纏め上げたデータをプリントアウトする。その
   内容は兄弟か姉妹による戦いという形になった。
   しかし女性陣が圧倒的に多いこの状況、この場合は姉妹対決が多いと踏んだ方がいい。
ユウMI「やはり私達が出ないと張り合いがないね。」
アイS「頑張らなきゃね。」
   企画書を持参したユキヤN、そのままGMルームへと向かって行く。またライディルも纏めた
   企画案を持ち、同じくGMルームへと向かって行った。

    企画を持ったユキヤNとライディルと共に戻ってくるミスターT。一同が雑談や会議などを
   行っていた時に休息していたようで、疲れた表情が全く消え去っている。
ミスターT「久し振りにゆっくり休めた。」
ライディル「息抜きし過ぎですよ。」
ミスターT「まあそう言いなさんな。休める時に休むのは鉄則、本編でもそう記述したからね。」
   2人の企画書を見つめながら一服するミスターT。企画が通るか心配そうに見つめるユキヤN
   とライディルだが、彼の今までの言動からすれば断る事はしないだろう。
ミスターT「面白い企画を持ち出すものだな。ライディルのは猛者を探る旅路として長く戦える。
      対するユキヤNのは短期決戦ともなるが、内容は充実している。それにこれが通らな
      かった場合、ターリュSとミュックSに何をされるか分かったものじゃない。」
   小さく皮肉を込めて語る彼。それを聞いて苦笑いを浮かべるターリュSとミュックSだった。
ミスターT「どちらも否定するつもりはない、思う存分戦ってくれ。しかし何度も述べているが、
      それらで発生するトラブルは対処してくれよ。」
ライディル「もちろんですよ。」
ユキヤN「妹達が企画してくれた案です、邪魔が入れば絶対に容赦しません。」
   ユキヤNが今までにない怒りを顕にし発言する。普段から温厚な彼だけに、この変化は縁ある
   者を驚かせる。それに便乗するのがライディルという形になる。

ミスターT「では行動開始とするか。休憩を続けたい者は構わないぞ。」
    無理して動かなくても構わないと語るミスターT。しかし全員は動きたくて仕方がないと
   いった雰囲気で、打ち出された複数の企画に合うように行動をしだす。
    また先発企画されたサブミッションマッチ・TLCマッチ・ケージマッチ。また女性陣しか
   選ばれ難い姉妹対決があれば、ファーストブラッドの戦いも用いられるようだ。

    ベルトに関しては決めかねている様子で、慎重な人選を行っている。既にチャンピオンの
   面々は挑戦者待ちか、逆指名という方法が取れるだろう。

    そんな中、何とビィルガ達がディルヴェズDとメルシェードTの襲撃を受ける。この場合は
   ビィルガ達が2人に挑発したのではなく、一方的な攻撃のようである。
   既に悪役に染まっているディルヴェズDとメルシェードT。その出方が全く予測できないもの
   であった。

    試合に関して述べておく。試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・タッグ。
   リング設定はノーマーシー、ルールはKO・ギブアップ・DQが適応される。


強襲イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画

    (強襲イリミネーション・タッグバトル終了)
    結果は見えていた。純粋悪の2人にとって、戦闘に投じれる勢いは凄まじいものだった。
   相手のビィルガとヴェルザスは完膚無きまでに叩きのめされる。
   相手が完全にダウンしている所に、今度はデュゲルセスとフランジュの2人が逆強襲をする。
   言われなしの強襲に腹が立ったビィルガ達の反撃が始まった。

    内容は前回と同じである。試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・タッグ。
   リング設定はノーマーシー、ルールはKO・ギブアップ・DQが適応。


逆強襲イリミネーション・タッグバトル登場+試合動画

    (逆強襲イリミネーション・タッグバトル終了)
    やはり結果は同じだった。怒りを顕にして戦っても、戦力差が違いすぎた。ディルヴェズD
   とメルシェードTの足元には、到底及ばないのが実情だった。
ポーレス「クソッ、何だってんだ!」
メルシェードT「・・・貴様の胸に聞いてみろ。」
ディルヴェズD「・・・同じ事をしたまでだ。」
   ダウンしている4人を尻目に、ディルヴェズDとメルシェードTはその場を去っていった。
   相手の感情が分からない以上、下手に手を出すのは危険極まりない。悔しい表情を浮かべ、
   ただ黙って睨み続けるしかないビィルガ達だった。

ゼラエル「・・・恐ろしいな。」
    一部始終を見ていたゼラエル達。普段ビィルガ達が行っていた襲撃を、逆にやられている
   様は何とも言い難い。
ベロガヅィーブ「やはり純粋に戦いに集中できる点が凄まじいな。」
デュウバD「戦いたくない手合いだねぇ。」
   誰に魔の手が忍び寄るか分からない今現在、自分達も襲撃されないよう心懸ける悪陣営。
   この点ならまだビィルガ達の方が戦いやすい相手なのだろう。

シュピナー「マスター、ご相談が。」
ミスターT「む、何だ?」
    他の面々はユキヤNとライディルが持ち掛けた試合に、誰が参戦するかを決めていた。
   その側でミスターTは手帳を見ている。休憩も掛けているようだが、それでも残り180人の
   追加に誰を抜粋するか模索しているようだ。
   そこにレジェレヴ系列所属のシュピナーと、デスティレヴ系列所属のデュレナが話し掛けて
   くる。どうやら相談事がある様子である。
シュピナー「皆さんが大試合を決めている間に、孫のデュレナと対戦がしたいのですが。」
ミスターT「それは構わないが。態々相談する事もなかろうに。」
デュレナ「いや、マスターにレフリーを担って頂きたいのです。」
   どうやら自分達の戦いをミスターTにレフリーを担って欲しいようだ。それに試合形式は通常
   のシングルマッチではなく、指定時間内で何回フォールをできるかを競うアイアンマッチの
   ようである。
ミスターT「ふむ・・・。試合構成は魅力的だが、どうもな・・・。」
   今までにない試合内容に魅力が感じられるが、どこか乗れないミスターTであった。そんな
   彼に何故なのかと問うデュレナ。
デュレナ「どの辺が気に入らないのですか?」
ミスターT「私を選ぶ部分だ。私以外なら何ら問題ないがね。実際に担い、後で判定が甘いなどの
      クレームは参る。」
シュピナー「それは問題ありません。私達が認めて貴方を選んだのですから。クレームを言われる
      なら捻り潰しますよ。」
   諸事情は気にする事はないと告げるシュピナー。2人がミスターTを選ぶのは彼を認めている
   からであり、そうでなければ態々頼みに来る事はない。
ユキヤTW「マスター、構わないのでは。勢力に荷担するといったものは、パワーバランスが崩れ
      ます。しかし相手の力量を測るというものは、言わば修行の一環としても取れます。」
   それでも渋り続けるミスターTに、新GMのユキヤTWが語りだす。
    この場合はGMの権限を強行しての私利私欲な行動ではない。本人達自らが願いでている
   ものであり、それには欲望といった類の概念はないだろう。
ミスターT「ふむ、確かにな。分かった、お前さん達の顔を立てて引き受けるとしよう。」
シュピナー&デュレナ「ありがとうございますっ!」
   よほど嬉しいのか、大喜びするシュピナーとデュレナ。そんな子供のように嬉しがる2人を
   見て、苦笑いを浮かべるしかないミスターTだった。

    既にリングなどは決まっているようで、後はミスターTのレフリー役だけが揃えば試合と
   なるようだ。こちらも2人の熱意に負けたメルアTUによって、先に設定が済まされている
   ようである。

    ここで試合内容を述べておくとしよう。試合はスペシャルレフリー、形式はレフリー1人・
   アイアンマッチ。リングはサマースラム、ルールはギブアップ・ロープブレイク・DQ・
   リングアウトカウント・リングアウト・制限時間10分が適応される。


スペシャルレフリーバトル登場+試合動画

    (スペシャルレフリーバトル終了)
    実に拮抗した戦いが展開された。両者とも実力は互角であり、純粋に力と力とのぶつかり
   合いである。そして互角ともなれば、運のみが勝敗を左右する事になる。
   今回勝利したのは祖母のシュピナー、運をも味方にしての勝利であろう。
デュレナ「やはりお祖母さんは強い。」
シュピナー「いやいや、貴女も侮れません。油断していたら負けています。」
ミスターT「コーナーガード外しの際の攻撃は勘弁な。一応クリーンな試合という事で、凶器気味の
      攻撃類は全て省いた。」
シュピナー「ええ、構いませんよ。」
   側で観戦していたメルシェードとヴィドリーガに肩を借り、徐に起き上がる2人。強制体力
   回復を用いたが、どうやら精神力のみはダメージを受けているようだ。
   まあ現実とは異なり、これも通常よりも早く回復する事であろうが。
    その後シュピナーとデュレナはリスペクトを行う。両者とも握手を交わし、お互いの健闘を
   讃え合った。

メルシェード「ふむ、スペシャルレフリーもいい試合ですね。」
ヴィドリーガ「マスター直々に動いて頂ければ、卑怯な真似はできないしな。」
ディルヴェズ「しかしあれだ、この試合リストを拝見する限りには・・・。」
    今のシュピナーとデュレナの試合を振り返り、メルシェードとヴィドリーガは2人が用いた
   試合内容の良さを語っている。
   そんな中、ディルヴェズが全ての試合形式の内容が記述されたリストを見てぼやきだす。
ディルヴェズ「これだけの大人数になるなら、試合総数が絶対に足りなくなる。最悪、マンネリ化
       して真の試合もできなくなりそうだ。」
メルシェード「う〜む、確かに一理ありますね。」
ヴィドリーガ「特殊試合形式を用いなければ、時期にネタが尽くよな。」
ライア「そこは模擬試合が補ってくれますよ。」
   先の安否を気にする3人、そこにライアが語り掛ける。どうやら新しい企画を持参し、それを
   ミスターTに見せに来たようである。
ディルヴェズ「ライア嬢、新しい試合企画ですか?」
ライア「ええ、今回も模擬試合を行おうかと思いまして。」
   企画書を3人に見せるライア。試合内容を直ぐさま思い浮かぶ彼女は、正しく策士そのもので
   あろう。
メルシェード「今回は暗い結末になりそうな予感がしますが。」
ライア「本編では、という事になりますけど。この場では試合を終え、それで終了といった形になる
    でしょう。」
ディルヴェズ「何はともあれ、通る事を祈っていますよ。」
ライア「フフッ。それを言うなら押し通す、です。」
   微笑みながら去っていくライア。幼い表情とは裏腹に、肝っ玉は恐ろしく据わっている。
   まあミスターT自身は渋っても断るといった事は殆どしない。企画が通るのはほぼ間違いない
   だろう。

    その後ライアはミスターTに企画書を提出する。その内容に少々顔をしかめる彼だったが、
   断る事は一切しない。彼女が持ち掛けた企画は通る事になった。

    第18話へと続く。

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