アルティメットエキサイティングファイターズ 〜集いし鋼鉄の勇者達〜
    〜第10話 恐怖の魔女〜
    再び来襲したビィルガ達。ポーレスとゼラエルを率いて、サバイバルタッグチャンピオンで
   あるライディル達に正式に試合を挑んだ。
   流石に正式ともなれば襲撃とはならず、ターリュSとミュックSは渋々試合観戦に回る。

    アナウンスがないので、ここで試合内容を告知しておこう。
   試合はイリミネーション・タッグ、形式はトルネード・6マンタッグ。場所はベロシティ。
   ルールはKO・ギブアップ・DQである。


イリミネーション・タッグチャンピオンバトル登場+試合動画

    (イリミネーション・タッグチャンピオンバトル終了)
    結果は目に見えていた。だがビィルガ達も普段とは異なる戦い方をしていた。欲望などと
   いう概念に囚われず、純粋に試合を楽しんだのだ。両者とも善戦したのは言うまでもない。
ビィルガ「やはりまだ無理か。」
ゼラエル「チャンスは巡ってくる、今は我慢の時よ。」
チェブレ「いつでも来な、相手になってやる。」
   いがみ合っているように見えるが、お互いを好敵手と認めだしたようだ。ライディル達から
   進んでリスペクトをするなど、積極性が見られるようになる。

    体力を回復する間もなく、ビィルガ達は次の戦場へと向かって行った。もはや彼らは戦う事
   でしか存在を顕せないようにも見え出している。徐々に善悪という概念が薄らいでいき、他の
   面々とスパーリングする事が楽しくて仕方がないようであった。

ディーラ「変わってきたよな、僅か短時間で。」
サーベン「俺達のレスラー統一が利いているようですぜ。」
    ゼラエル達がライディル達に襲撃を加え、その襲撃者をターリュS達が撃滅した。それから
   時間は大きくは経過していない。僅か短時間で悪陣営という面々は中立に近い状態になる。
   ビィルガが己の位置付けに目覚め悪陣営の面々と動き出す事で、彼すらも知らずに中立の位置
   に根付いていったようだ。無論ゼラエル達悪陣営の面々も同じである。
メルアW「よく体力が持ちますよ。」
フュリア「瞬間的な回復は凄まじいとマスターが仰っていましたから。」
   とは言うものの、実際は試合が終われば直ぐに次の戦いができる。ゲームという概念を含め
   れば、回復は容易なのは事実ではあるが。これはこれでエキプロの世界の仕様なので、仕方が
   ないと言えばそれまでではあるが。

    また少々変わった部分がある。今までは悪陣営が攻めて来るという一面が多かった。他の
   面々は防戦一方で、とにかく戦いだけという一見すればつまらないものである。
   ところが各陣営で割り振り勢力を築いた事で、善悪問わず抗争を開始しだしたのである。
    もはや悪や善といった概念はない。各々が別の面々を攻めたり守ったりと、13の陣営は
   自発的に抗争を行っていた。

    一同が各リングでスパーリングなどを行っている最中、GMと闘士の面々が招集される。
   他の面々には分からない別室で、今後の打ち出しを決めていた。その中には完全なる悪役で
   ある、デュウバ=ディベルセイスの姿があった。
デュウバD「わざわざ発掘して頂いた事に感謝致します。」
   口調は丁寧であり、表情も穏やかである。見た目だけは今の所、悪役とは全く思えない。
ミスターT「一同はそれぞれに戦いを展開している。ここに新しい敵が現れれば、変わった対応を
      するだろう。しかもそれが現悪陣営以上の戦闘力を有しているとなれば、ただの悪役
      とは言い切れなくなるはずだ。」
デュウバD「お任せ下さい。マスターに位置付けられたこの大役、お望みのままに動いてみせます。
      無論それは表向きだけのものですが、少々度を強くして行きますのでご了承のほど。」
ミスターT「一同が楽しみ戦えればいい。必要とあれば私もお前と共に動くとする。もちろん、度が
      過ぎない程度にだが。」
ディルヴェズTF「マスターも本当に大変ですよね。」
   その場では味方に、場合によっては敵に。GMとは多岐多様の役割を担う存在。それが真の
   GMともなれば、更に重役になるのは言うまでもない。
   一同を誕生させた創生者のミスターTには脱帽だと、他のGMや闘士・デュウバDは思った。

    会議を終えたGM達。それぞれ他の面々のリングへと赴いていく。勢力として軍団を作った
   一同は既に安全でもあり、GM達が手助けなどの根回しをしなくとも十分行動していた。
   その中にミスターTは、新たな火種を投入する。恐怖の魔女の襲来である。

    各陣営は試合を展開している。その白熱した試合を完全に遮るような殺気を感じた。それは
   今まで感じた事のものである。面々は殺気が放たれる先を見つめると、相手の凝視から逃れ
   られなくなる。
    出で立ちは普通の女性、しかし表情が今までの面々とは異なっていた。悪陣営の面々ですら
   恐怖に慄くその形相、そして発せられるオーラはGMクラスの戦闘力を有していると直感。
   一同はその謎の人物から目を放せられなかった。

    一応この時点で面々はデュウバDの存在を知らない。この場は謎の女性と位置付ける。

謎の女性「賑やかな事だねぇ。」
    凄まじいまでのハスキーボイスである。それを聞いた面々は背筋に悪寒が走った。また相手
   が誰なのかという事を把握できない面々。ある人物の名前が脳裏を過ぎったのは、戦闘経験が
   ある初期の頃のディルヴェズ達やフリハトの面々だけだった。
ゼラエル「だ・・誰だ貴様はっ!」
   ゼラエルが子猫のように怯えている。普段からの強気の彼はなく、他の強気の悪陣営の面々も
   恐怖で一杯であった。
謎の女性「知ってるだろうに、マスターから聞かなかったのか。」
ディルヴェズ「・・・ハハッ、マスターも粋な事を。」
   一同を代表してディルヴェズが前へと進みでる。面識とその威圧は経験済みという雰囲気で、
   彼は進んで謎の女性の元へと赴いた。
謎の女性「その説はどうも。まあ本編じゃないから、明確な殺意は控えるけどね。」
ディルヴェズ「相変わらず癇に障る野郎だな、もう一度首を跳ね飛ばしてやろうかね。」
謎の女性「やってみなよ。」
   凄まじい口論である。その発言はユキヤとゼラエルとのやり取り、ミスターTとゼラエルとの
   やり取りを超えている。殺意・憎しみというありとあらゆる不の感情が込められていた。

    ある過去の経緯をミスターTから窺っていて、それを誰よりも気にしていたデュウバ姉妹。
   悪役が徹底されているという事を知り、2人は徐にディルヴェズの隣へと赴いた。そして相手
   の人物が誰であるかを、彼に聞きだしたのである。
デュウバ「ディルヴェズ様、まさか・・・この方が・・・。」
ディルヴェズ「ええ、貴女と同名のデュウバ=ディベルセイスです。草創期の最も凶悪な敵です。」
   一同は窺い知った。ビィルガが演じようとしている悪役など足元にも及ばない。純粋な悪一点
   を貫いている人物だと。
   その存在は抜き身の真剣そのものであり、触れれば何者をも切り落とされる雰囲気である。
デュウバD「マスターも面白い事をなされたものです。本来は私の再来は貴女であるはずだった。
      しかし今では善を代表する中核の人物となっている。本当に不思議な事ですね。」
   悪一貫だが、相手を貶す事はしないデュウバD。やはりそこはしっかりと割り振っている。
    以前の流れからすれば、敬いなどといった概念は取り除かれ、純粋に憎しみだけが相手に
   向けられていた。その流れは今はなく、今の一同に合った存在となっている。

ミスターT「有言実行、GMとして一番理想な行動だ。」
    徐にミスターTが現れる。その彼にとんでもない事をしてくれたと、一同は思わざろう得な
   かった。
ディルヴェズ「マスター、何故彼女を。」
ミスターT「ビィルガ達が中立に近い存在になった。そうなれば抗争は自然と消滅してしまう。一同
      を大きく盛り上げる存在、それは悪役を以て他にはいない。」
   確かにそうだと一同は思う。だが相手の格が違うと言いたげな表情を浮かべる面々。言葉に
   出したくとも、デュウバDの圧力で発言がし難くなっていた。
デュウバD「マスターの仰る通り、私は私の大役を担うだけ。貴様等を徹底的に駆逐する、それが私
      が持って生まれた定めなんだよ。」
   明確に己の使命を叫ぶデュウバD。発言に凄みを増した一声は、一同を心の底から威圧する。
   過言だと言いたげな面々だが、戦闘力が分からない以上無闇に手を出すのは得策ではない。
    しかし戦う事だけが生き甲斐の悪陣営の面々。特に抗戦を開始しだす切っ掛けを作りやすい
   ゼラエルやベロガヅィーブ・ライガスは彼女に食い付いていった。
ゼラエル「ヘッ、口だけ達者な女だな。」
デュウバD「闘ってみるか?」
    言うや否や凄まじい勢いでゼラエルに接近するデュウバD。相手の目の前で瞬時に止まり、
   右脚から繰り出されるトラースキックを見舞った。
   顎を打ち抜かれたゼラエルはそのまま後方へと蹴り飛ばされる。蹴り飛ばされたゼラエルは、
   後ろにいたベロガヅィーブやライガス達を巻き込む。そのまま3人とも床へと倒れ込んだ。
    その行動を見つめ、一同は驚愕した。デュウバDの戦闘力は凄まじいものがあると知った。
   既存の悪陣営の面々以上の戦闘力を有していると確信したようだ。

デュウバD「ハッ、情けないねぇ。一撃でダウンするならでしゃばるな阿呆がっ!」
    たった一撃で気絶したゼラエル。そして吹き飛ばされた巨体がぶつかり、同じく気絶した
   ベロガヅィーブとライガス。その3人にデュウバDは罵声を浴びせる。
   物凄い強さを誇り、更に慈悲など持ち合わせない。究極とも言い切れる悪役の登場で、一同は
   どうしたらいいか思い悩んでいるようだ。
デュウバD「ああ、ご心配なさらないでね。善陣営の方々には、普通に接します。もちろん悪役と
      してですがね。今私が一番腹立たしいのは、中途半端な存在でこの場にいるビィルガ。
      貴様なんだよ。」
   物凄い剣幕でビィルガを睨むデュウバD。それに対して普段紳士的な彼が、鬼のような形相で
   彼女を睨み返した。
ビィルガ「貴様じゃ役不足だ、失せろ。貴様こそ中途半端な存在でしかない。何よりも、誰も手を
     貸す者などいないではないか。我ら悪陣営一同全員、貴様と戦ってもいいのだぞ。」
デュウバD「他人を当てにするようじゃぁ、三流のやる事だねぇ。貴様自身で戦った事など一度も
      ないだろうに。」
ビィルガ「戦いは勝利すればいいのだよ。それはどんな卑怯な手を使ってでもね。」
   デュウバDに当てられ、悪の面を曝け出し始めたビィルガ。GM権限取得試合を行った時以上
   にヒートアップしている。しかしそんな彼の凄みなど彼女の前では無意味だ。
    そんな中、意識を取り戻したゼラエル。ベロガヅィーブ・ライガスと共にビィルガの近くへ
   赴いて来た。
ゼラエル「テメェ・・・やってくれたな・・・。」
デュウバD「もう一発食らうかい、今度は首の骨をへし折るよ。」
ビィルガ「やってみるがいい。その前に我ら悪陣営総出で貴様を叩き潰してやろう。」
   凄みのある発言で威圧するゼラエルだが、やはりデュウバDの前では無意味である。この悪女
   には威圧などの行動は効果がない。しかしそれでも反論だけは行う悪陣営の面々。もはや子供
   の喧嘩みたいなものである。

    収拾が付かなくなった現状を見て、ミスターTが彼らの間に割って入る。
ミスターT「そこまでだ、後は試合で決着を付けるんだ。」
デュウバD「もちろんそのつもりさね。」
ビィルガ「試合など関係ない、我ら総出で貴様を潰す。」
   煽られ怒髪天を通り越したビィルガ。他の悪陣営の面々も同じで、試合よりもデュウバDの
   存在を許せないといった雰囲気が強い。
    逆に罵声などを浴びせても、試合での決着を心得るデュウバD。この点を踏まえると彼女は
   究極の悪役とは言うが、完全に悪役に染まっているとは言い切れない。

    心変わりがなさそうな悪陣営の面々。その姿にミスターTは呆れた表情でいる。
   この状況を変化させるには、それなりの威圧的事情を持ち掛ける必要があると判断。彼は彼ら
   を煽りだす発言を行ってみた。
ミスターT「勢力の比率が割に合わない。総出で彼女を潰そうとするなら、まずは彼女を中心とした
      陣営を作る必要があるな。」
ビィルガ「彼女には誰も手は貸さない、我々以上に悪の存在なのだからな。」
ゼラエル「俺達が中立、それは全く変わらないぜ。」
ベロガヅィーブ「1人で今後を過ごすんだな。」
   究極の悪役と銘打っているデュウバD、それ故に誰も手は貸さないと言い切る悪陣営の面々。
   この言葉を待っていたかのように、ミスターTは彼らの考えを揺るがす発言をする。
ミスターT「なら私はデュウバD側に付くとしよう。誰も助けがないのなら、私以外に適任はいない
      だろうからな。」
   とんでもない事を言い出すミスターT。この言葉には悪陣営の面々は驚愕せざろう得ない。
   また善陣営の面々にも衝撃を与えるものだった。
ビィルガ「貴様・・・GMでありながら悪に荷担するのか!」
   中立的な存在のGMでありながら、悪役のデュウバDに荷担するという事に反論するビィルガ
   と悪陣営の面々。それこそGMという権限の悪用だと思っているようだ。
ミスターT「GMや悪などの一念の問題ではない。孤立しそうな者を助けるのは私の原点回帰だ。
      それを行うのが私の役目でもある。お前さん達が考えている浅はかなものではない。」
ビィルガ「同じような事。私が私利私欲で動いていた時と同じではないか。そのような人物にGMを
     担う資格はないっ!」
ミスターT「では孤立した彼女を見捨てろと?」
ビィルガ「当たり前だ、絶対悪なのだからな!」
   今までにない腹の立てようだ。完全にデュウバDを悪役と決め付けている。この時点で彼こそ
   悪役になっていると言っていいだろう。

    意固地に考えを改めようとしない悪陣営の面々。特にビィルガはデュウバDが勢力を持つと
   いう事に強く反対している。そこでミスターTは別案を提示しだした。
ミスターT「では一旦真のGMという役割をミスEに預けよう。そうすれば私は一介のレスラーだ。
      デュウバDとも組めるし、お前さん達と対等に戦える。彼女が勢力を持つまで、私が
      補佐役として動こう。これならば文句はあるまい。」
   更に驚くべき内容を語る。真のGMの重役を補佐であるミスEに預けると言い出したのだ。
   確かに一同と同じ立場のレスラーであれば、デュウバDとの勢力加担は何ら問題はない。
   これには善陣営の全員が納得するものだった。
ミスターT「一応告げるが、真のGM権限は完全譲渡じゃない。勢力拡大がなるまでの凍結だ。陣営
      が完成すれば、直ぐに復帰するとしよう。」
ビィルガ「貴様ぁ・・・この期に及んでそんな事まで言うかっ!」
ミスターT「お前さんのお好きなGMの絶対的権限、だよ。」
   完全にキレているビィルガ。こうなってはただの駄々っ子である。もはやミスターTが打ち
   出す事が気に食わなくて仕方がないようだ。

    これ以上何かを提示すれば何をするか分からない状態である。1人激怒し続けるビィルガを
   尻目に、ミスターTは引き上げる事にした。
   襲撃しそうな勢いの悪陣営の面々だが、相手が相手である。この場は黙って引き上げるしか
   なかった。
デュウバD「マスター、構わないので?」
ミスターT「GMは疲れるよ。」
   普段の姿に戻っているデュウバD。究極の悪役となるが、役が終われば普通の女性だ。これは
   ある意味GMに近い存在なのかも知れない。
ミスE「マスター、GMの件ですが。」
ミスターT「ああ、暫く担ってくれ。6闘士と4大GMは彼女の補佐を。」
ヴォリスTJ「了解。」
   GMではなく一旦660人と同じレスラーになったミスターT。本当に大丈夫なのかと、他の
   面々は思った。
シンシアTJ「マスター、本当に大丈夫なの?」
ミスターT「汚れ役も率先して引き受けるのがGMの仕事だ。一同は納得がいかないようだが、今後
      が更に栄えるならばそれでいい。それに4大GMでは荷が重すぎる部分があるだろう。
      臨時に6闘士も場合によってはGMを担ってくれ。」
ターリュTB「了解〜、火消しは任せて〜。」
ミュックTQ「本当のGMになった気分で戦わせて貰いますね〜。」
   6闘士は臨時GM役を喜んでいるようだ。本来なら戦闘だけ楽しみたい彼女達なら、気難しい
   GM役など担いたくないはず。しかし今はやる気の様子である。
   オリジナルの6人からアレンジを施した6闘士。スキルも異なる事から、オリジナルとは些か
   異なる部分があるようだ。

    かくして動き出した一同。デュウバDは臨時補佐のミスターTとタッグを組み、ビィルガ
   率いる悪陣営と徹底抗戦を開始した。
   殆どデュウバDでの単独試合となり、臨時にレスラーを担っているミスターTはセカンドの
   位置付けである。

    最初の交戦者はロスレヴ系列ロスレヴ所属、アマギブラザーズ唯一の悪役であるアマギDA
   である。
   試合内容は次の通り。試合、ハンディキャップマッチ。形式、1対3。場所、RAW−A。
   ルール、KO・ギブアップ・ロープブレイク・DQ・リングアウトカウント10適応・リング
   アウト適応。


ハンディキャップバトル登場+試合動画

    (ハンディキャップバトル終了)
    完膚無きまでに粉砕されたアマギDA。対するデュウバDは殆どダメージを受けていない。
   戦闘力の差は格段に離れている。セコンドのミスターTは終始彼女のサポートに回っており、
   明快な攻撃行動は行っていなかった。
アマギDA「がぁ〜・・・勝てねぇ・・・。」
ミスターT「お前さんも複数で彼女に攻めればいいものを。」
デュウバD「そうだよ、何故単独で対戦したのか分からないね。」
   2人の発言には一理ある。他の面々はタッグなどを組んでの挑戦だ。アマギDAの場合は単独
   での試合が多い。彼は何故1人で動くのか、理由を語りだす。
アマギDA「俺はあいつらのように策略で動きたくない、ただ純粋に戦えればいい。それなのによ、
      やれ陣営だのやれ抗争だの。付き合いきれないぜ。」
   悪陣営の面々の中でも、異なる人間の集まりだ。ビィルガ達のように徒党を組む存在と、戦い
   だけに専念する存在と分かれている。アマギDAのように戦えればいいという存在も数多い。
アマギDA「1つ質問だが。姉さんは策略といった概念なんかには囚われない、といった感じか?」
デュウバD「私が策略なんかで動くと思うかね。オリジナル本編でも策略よりもただ単に攻め、相手
      を潰すだけ。それだけに瞬殺された経緯もあるわよ。」
アマギDA「何だぁ、俺と同じじゃねぇか。姉さんとは気が合いそうだな。」
   アマギDAも本編では策略など一切考えず、純粋に戦いだけを行っている。故にオリジナルの
   アマギや他の面々に倒されている。
    まあデュウバDが誕生してからアマギDAなどが誕生したと考えれば、起源となる行動理念
   は彼女に通じる部分があるのだろう。
アマギDA「なあ姉さん、俺を使ってみないか。面々を集めていると言ってたよな。単細胞な俺なら
      姉さんの役に立つだろう。」
デュウバD「そりゃぁ構わないけど、ビィルガ達を敵に回すんだよ。言い換えれば貴方が所属する
      悪陣営そのものを敵とする。それでも構わないのかい?」
アマギDA「今の悪陣営はビィルガ中心の悪陣営さ。本当の悪陣営と言う理は、姉さんの中に存在
      すると確信している。役割では姑息な動きをしそうな姉さんだが、原点はそうではなか
      ろう。なら姉さんと一緒に戦った方が、本来の悪陣営として戦えると思えるぜ。」
デュウバD「分かった。貴方の決意、絶対に無駄にはしないよ。」
   アマギDAとデュウバDは固い握手を交わす。彼女の行動はある意味、真の悪陣営の復活を
   意味する戦いなのかも知れない。

ミスターT「彼女は悪役だが、根は生真面目だからな。それに元来は負けず嫌いで熱血漢。ある意味
      お前さんと同じだよ。」
デュウバD「よして下さいなマスター。私は悪役、それだけで十分ですよ。」
    過大評価するミスターTに恐縮気味のデュウバD。それは役割を徹底的に演じ切り、究極の
   悪役と言わしめる彼女の本当の姿であろう。根底にこの一念を有しているから、このような
   無類の強さを発揮するとデヴァスは思った。
アマギDA「おそらく俺みたいな考えの面々が他にもいるはずだ。姉さんの純粋な悪に徹するという
      一念を感じれば、こちらに応じるだろうよ。」
デュウバD「説得とかあまり好まないが、本来のあるべき役割に戻れるならね。まあ今は戦うだけ
      戦おうかね。」
アマギDA「おうよ。」
   意外な形でアマギDAの賛同を得たデュウバD。彼の期待を裏切らないようにも、今はとに
   かく戦いだけ展開する事に決めたようだ。

    このアマギDAのデュウバD陣営への参戦はビィルガ悪陣営に衝撃を与えた。また善陣営の
   面々にも同様に。
   しかし善陣営は彼女の信念に真の悪陣営を見出し、望ましいものだと思いだしてもいる。本来
   のあるべき姿に戻そうとしている存在が、デュウバDであるとも確信しだしていた。
    対するビィルガ悪陣営はアマギDAの行動に許せないといった雰囲気を出している。だが
   彼が行った行動に、賛同の意見も見え出している。

    今後の展開が再び予測不可能な状態になりだしていると心中で呟くミスターT。
   しかし一同が今まで以上に活気付いているのは言うまでもなく、彼が反感を買ってでも行った
   行動には少しずつだが結果が見え始めていた。

    GMという完全中立的な存在は、本当に苦労役だと痛感した彼であった。

    第11話へと続く。

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