アルティメット エキサイティングファイターズ 外伝8 〜覆面の探索者〜 |
アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝8 〜覆面の探索者〜 〜第1部・第13話 新天地へ5〜 大都会での大乱闘後、準備を整えてシュリーベル南東の桟橋へと向かった。3大都市は蛻の 殻状態になったため、大都会の住人が殺到しだしているという。意識が全てそちらにいって いるようで、俺達の行動には一切関知して来ない。 むしろ、困った事があったのはその道中だ。大都会を中心に巨大都市を構築したためか、 それ以外では野生の魔物が蔓延りだしたのだ。ゴブリンなどが顕著だが、数が多くなりだして いるようである。 当然、道中に待ち構える連中は、全て撃退して回っている。特に女性陣にとっては、これら ゴブリン共は天敵とも言える存在だ。片っ端から叩き潰しているのが何とも言えない。 そして、シュリーベル南東の桟橋に差し掛かった頃、そこでもゴブリン共と一戦繰り広げる 面々がいた。ナツミAを筆頭に、ミツキやトラガンチーム、そしてリューヴィス女傑陣だ。 ナツミA「そろそろ来られる頃だと思ってましたよ。」 近場のゴブリンに飛び蹴りを放ち、後続の女性陣に任せるナツミA。そこに攻め入って来る 他のゴブリンに、ミツキのジャンプ叩き付け攻撃が炸裂していた。 ミツキ「おりょ? 四天王がいるわぅ!」 ウエスト「あー・・・。」 ナツミA「何? 何か文句ある?」 ナッツ「い・・いえ・・・滅相もない・・・。」 戦闘中とあり、興奮気味の彼女の目線は、恐ろしいぐらいにまでギラ付いている。それを見た 四天王は、恐怖に震え上がっている。存在そのもので恐怖させるというものだろう。俺には 叱咤激励の目線にしか見えないのだが・・・。 エリシェ「何ですか、ナツミA様の視線を叱咤激励にしてしまうとは。」 ミスT「はぁ・・・心中読みはやめれ・・・。」 ラフィナ「フフッ、女性を甘く見てはいけませんよ。」 マデュース改を持つエリシェに、ガトリングガン改を持つラフィナ。女性陣の援護を行って いるようだが、その様相は怖ろしい事この上ない。放たれる弾丸は驚異的な致死性を帯びる ため、それを感じ取ったゴブリン共は近付けないでいる。 むしろ驚いたのは、リューヴィス女傑陣だ。男性への恐怖心は今も健在なのだが、四天王を 見ても驚いた様子を見せない。仕舞いには共闘すらしだしている。どうやら、トラガンチーム の女性陣とのコミュニケーションが、彼女達に安心感を与えているのだろう。 今まで、リューヴィス女傑陣に四天王の事をどう言うか悩んでいたため、その和気藹々と する様に脱力感が凄まじい。取り越し苦労とはこの事だわ・・・。 サラ「実は、ナツミAさんが四天王の事を前もってお話していまして。」 ミスT「ああ・・・そう言う事だったのか。」 セラ「普通なら直ぐに信用できるものではありませんが、トラガンの皆さんからもフォローがあった 感じで。」 ミスT「俺の場合はまあ、いきなり変身したからな・・・。」 落ち込み様が酷かったのか、サラとセラが訳を話しつつ慰めてくれた。確かに、事前に彼女 達からのフォローがあれば、初対面の四天王に対しては一定の心構えはあるだろう。俺の場合 だと、まだその心構え度すらない時だったからか、あの様な感じになったのだと思われる。 ミスT「まあ何だ、後は新天地に赴くだけだな。殿は任せてくれ。」 エリシェ「私もお供致しますです。」 ラフィナ「重火器の出番ですよ。」 言うか否か、自前の重火器を射撃していく2人。今までは援護射撃程度だったが、本格的な 狙撃へと回っている。それを見たトラガンチームが、リューヴィス女傑陣に撤退を促した。 俺も封印状態だった武装を解放する事にした。トリプルマデュース改の20mm機関砲での 射撃を開始したのだ。今までは弾薬の問題で、一切射撃は行わなかった。だが、後方支援に より弾薬が手に入るため、思う存分射撃ができるようになっている。 人工腕部3本が持つマデュース改が織り成す、致死性の弾丸の嵐。その様相はエリシェと ラフィナをも超えるもので、それを見たゴブリン共は恐怖に駆られて逃げ惑いだしている。 当然、連中を生かしておけば要らぬ火種となるのは言うまでもない。容赦ない一撃で葬る 必要がある。そう、無慈悲なほどの容赦ない一撃だ。放たれる弾丸のどれもがゴブリン共を 瞬殺していく。 ミスT「はぁ・・・ついに重火器の投入か、パワーバランスが崩れた瞬間だな・・・。」 エリシェ「まあまあ。この程度は全く問題ありません。私達は魔法が使えない手前、重火器での相殺 が必要になりますし。」 ラフィナ「鉄の弾丸を火薬という魔力薬を使い、重火器という魔法武器で放つ、これですよ。」 ミスT「はぁ・・・そうですか・・・。」 茶化しつつも、その行動はエゲツナイほどの様相だ。華奢な2人が持つには不可能とされる 超重量火器兵器だが、それを難なく操る姿は脅威の何ものでもない。だが、そこに最強の力を 持つ存在としてダブらせるからか、何処か優越感が出てくるのが何とも言えない。 俺達が弾丸の嵐を繰り広げている間に、女性陣が桟橋から小型船舶に乗り込みを終えた。 そのままレプリカ大和へと向かって行く。結構な人数がいたため、小型船舶2隻分の移動手段 となるようだ。 ナツミA「お3方、そろそろ撤収準備を。」 ミツキ「チェックメイドだぎゃー!」 近場のゴブリンに弾丸が撃ち込まれる。その射線軸上を見ると、2隻目の船首でスナイパー ライフルによる狙撃を繰り広げるナツミAとミツキ。同船も完全バランス機構を有している ため、船体が揺れる事は皆無だ。それ故の精密射撃である。 殿の攻撃を止めて、桟橋より小型船舶に乗り込む。その際もゴブリン共の襲来が後を絶た ない状態だ。話によると、ここへの襲撃はほぼ毎日行われていたようである。どういった経緯 で襲来していたかは不明だが、敵には変わりない。つまり、殺害しても全く問題はない。 小型船舶が発進する際も、ナツミAとミツキの援護射撃は続く。同船にいるトラガンチーム の女性陣も、重火器による援護射撃を行ってくれていた。肉弾戦も重火器戦も、何でも可能な 万能女傑達である。 桟橋から100mほど離れた所で、ゴブリン共の追撃は終わった。連中は泳ぐ事ができない ようで、これ以上の追撃はないとの事だ。マーマンとか出た場合はどうするのかと思うが、 この世界の海の生物は強い個体はいないらしい。 まあ、仮にいたとしても、バリアとシールドの防御機構がある手前、どの攻撃も全て無効化 されるのがオチだが。本当に万能の防御機構である。 後半2へと続く。 |
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