アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第3部・第04話 人工生命体5〜
ミスターT「さて、改めて害虫共に宣戦布告といきますか。この数ヶ月間は我が物顔でのさばって
      いた感じだったが。」
シルフィア「逃げたきゃ逃げなさいな。今までの貴様達の一挙手一投足は、全部盟友方に伝わって
      いるからね。何処に逃げようが逃げられないわよ。」
ミスターT「恩師の言う通りだの。貴様等に一度、再起の機会を与えてやろうではないか。他者に
      頼るのではなく、害虫が無い知恵絞って技術の1つでも開発するんだな。」
    連中を守る人工生命体に右手を横に払った。右手に殺気と闘気の心殺しの念波が集まって
   いるため、それらが彼らに襲い掛かる。意思が無い人工生命体でも生命体には変わりなく、
   己に致死をもたらす波動に恐怖しだしたのだ。
防衛庁長官「人工生命体どもが怖気付いているだと・・・。」
ミスターT「はぁ・・・予想した通り。その人工生命体を開発したのは敬意を表するが、機械兵器
      じゃなかったのが大問題だわな。」
ガードラント王「ぐっ・・・ここは引くしかない・・・。」
ミスターT「とっとと引きなさいな。それとも、今直ぐにでも消されたいか?」
   撫でるように放った殺気と闘気の心殺しの念波を、今度は棒のように集約する。すると何と
   モヤみたいな物質が出現し、刀のようになっていったのだ。それを目の前の4人の人工生命体
   に一閃させた。先程は恐怖した程度だったが、今度はその波動を受けて気を失ったのだ。
ガードラント王「ば・・化け物め・・・。」
ミスターT「害虫が言う様な台詞じゃないな。貴様等の方がよっぽど化け物に見える。で、逃げる
      のか? 逃げないのか? 早く決めやがれ!」
   右手に集約していた波動を両手に持ってみた。すると両手の拳に波動が重なり、そのまま相手
   に放つ仕草をしてみせる。すると脱兎の如く去っていくガードラント王と防衛庁長官。それに
   次いで人工生命体達も去っていった。

    生命体は超絶的な恐怖を前にすると、為す術無く怖じる形になる。描写としてなら、ゲーム
   は“真・三國無双”での呂布氏だろうな。目の前に対峙しただけで、その圧倒的な存在感に
   当てられて逃げ出していく。彼と勝負をして無事だったのは非常に希である。

    ただその描写だと存在感で圧倒する形だったが、今の俺が繰り出した殺気と闘気の心殺しの
   念波は全く異なるようだ。しかしまあ・・・まるでファンタジーな感じだが・・・。



シルフィア「連れて帰ってきちゃったけど、どうするのよ?」
ミスターT「どうするかの・・・。」
    料亭での強化法と悪党襲撃の流れを終えて、喫茶店へと戻った。その中で連中が連れて行く
   のを忘れた人工生命体。しかもエリシェ専属の警護者達にいる、巨女3人組と同じ体格だ。
ミュセナ「へぇ・・・この人工生命体は女性をベースとしているのですか。」
ルビナ「そもそも、生命体の素性が女性をベースとしていますし。」
ミスターT「あー、X・XとX・Yのそれか。野郎は突然変異でしか生まれないと言っているしの。
      元来は女性が基礎で、そこに不確定要素が重なって野郎になる。一説だと野郎はその
      染色体だったか、それが欠落した出来損ないだとも言われているし。」
ミツキ「ぬぅーん、そんな中の1人にTちゃんはいるわぅけど?」
ミスターT「当たり前でしょうに。女性の前では野郎なんざ足元にも及ばないわ。」
   一服しながら一際豪語してしまった。自分も男性の1人だが、性転換ペンダント効果の影響で
   女性色が色濃くなっているようだ。つまり殆ど女性目線である。
シューム「はぁ・・・何か同性と接している感じよね。」
ヘシュナ「本当にそう思います。男性であり女性である。俗に言うオカマとも全く異なる状態とも。
     言わば無性とも言いますか。」
ミツキ「これは玉無しわぅね!」
シューム「ぶっ・・アッハッハッ!」
   ミツキの強烈な一言に大爆笑しだすシューム。それに釣られて周りの女性陣も爆笑しだした。
   かく言う俺も釣られ笑いをしてしまう。何ともまあ・・・。

シルフィア「アハハッ・・・ミツキさんのフックは毎回強烈よね。」
ナツミA「それに傲れていない所が怖い所ですけど。」
ミツキ「お〜ごれ〜るも〜のは、どつぼ〜には〜ま〜るぅ〜♪」
ティエラ&エシェムF「アッハッハッ!」
    今のネタでは飽き足らず、ナツミAが言うワードをボケに変換するミツキ。そのフレーズは
   ゲーム“ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣”のファミリーコンピューターバージョンの
   CMだ。懐かしいフレーズだと思うも、一際大爆笑するのはティエラとエシェムFであった。
ミスターT「お前達には悪い事をしてるわ、本当にすまない。」
ティエラ「何を仰いますか。バカ父達の言動は完全な愚行そのものですよ。」
エシェムF「シルフィア様を見て怖じていた姿を見て、何だかスッキリしてます。上には上がいるの
      だと痛感させられたそれは、生命体としての喜怒哀楽が残っていますし。」
シルフィア「まあねぇ。彼自身は知らないけど、防衛庁には何度も足を運んだ事があるからねぇ。
      その流れでのものでしょうね。」
スミエ「権力を持つと堕落するのは通例ですよ。」
   シルフィアは伝説の警護者として名が知れ渡っている。スミエもそうだが、どちらかと言うと
   恩師の方が認知度は高い。その2人の存在感は警護者界では正にレジェンドそのものである。
   まあ俺の場合は別の意味合いで認知されていたが。

    そう、俺の生存をエリシェは大々的に公表。すると方々から歓喜の声が挙げられたのだ。
   これには何だか複雑な気分になる。と同時に烏滸がましい感じにもなった。しかし、それだけ
   あのバカ父達の愚行が酷かった現れであろう。

    まあ大企業連合・躯屡聖堕フリーランス・トライアングルガンナー・警護者軍団は、俺が
   仲間の戦略で死亡扱いになっているのを知っていた。知らなかったのは部外者だけになる。
   逆に俺の再起により、漸く反転攻勢ができると大盛り上がりになっている。

    ただ実際の所は、まだ完全に動けない状態ではある。この場合は俺の身体の問題ではなく、
   バカ父達のその後の動向が読めないためだ。だから態と逃がしたのである。そして確信的な
   要因が掴め出してもいた。

ミスターT「あのバカ父達が人工生命体の可能性は高くないか?」
ミュセナ「そんなまさか・・・。意識を複製させて移植させるのは、実質不可能に近いですよ。同じ
     意思を持つ存在なら・・・って、その手があったのですね!」
ミスターT「お前さんのそれは、恐らく完全複製は不可能だという見解だろう。ただ、属性を真逆に
      した意識を誕生させるのは可能だと思ってね。」
    椅子に座る人工生命体4人をマジマジと見つめるミツキ。その彼女に近付き、同じく4人を
   マジマジと見つめた。言わばこの人工生命体は魂がないのだ。しかし意識を何らかの形で施す
   事ができれば、オリジナルの人物と全く同じになると思われる。
ミスターT「善なら悪に、悪なら善に。この4人はもしかしたら化ける可能性もある。どんな生命
      であれ、生まれてきて間違いなはずはない。」
ミツキ「うむぬ。4人は敵方の人工生命体を阻止する人工生命体になるわぅね。」
ミスターT「問題はその意識の部分だが、どうも漠然として分からん。」
   先程の殺気と闘気の心当てで倒れた4人。それが悪心を攻めるなら、もしかしたら当時以上の
   念波を当てれば覚醒する可能性もあるか・・・。
ミツキ「そのプラン、やってみるわぅ?」
ミスターT「そうだな・・・。シュームさんや、喫茶店を貸し切りにしてくれ。それと一同には悪い
      かも知れないが、当てられて気を失ったらごめんな。」
シューム「はぁ・・・あの殺気と闘気が間近で感じられるのね。」
ミツキ「嬉しそうな所にマゾ感を感じるわぅ。」
シューム「言ってなさいな。」
   シュームは俺と同じ属性に近いため、殺気と闘気の波長が非常に合っている。故に先程の殺気
   と闘気の心当てに、相当共感を得られた感じだろう。案外、シュームも覚醒しそうな感じが
   するわ・・・。

    後半2へと続く。

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