アルティメット
エキサイティングファイターズ
外伝6
〜覆面の警護者〜
     アルティメットエキサイティングファイターズ・外伝6 〜覆面の警護者〜
    〜第2部・第11話 最終話・再来する集団1〜
    南極事変から数ヵ月後に起こった燻り出し作戦。黒服連中と軍服連中が喫茶店に押し寄せて
   来たという事には驚いたが、むしろこちらから赴かずに出向いてくれたのは好都合だった。
   3大宇宙種族の総意で連中を捕縛、呆気ないほどに終幕した。

    しかしこれで終わりではない。まだまだ世界には燻っている連中が多くいるだろう。それら
   全てを駆逐しないと話にならない。今後も戦いは続くだろうな。

    まあそれでも最後の最後まで諦めはしない。警護者になった手前、死ぬまでその生き方を
   貫いてやるわ。それが俺の絶対的な生き様である。


    粗方終わった現状を踏まえ、シメの流れと言わんばかりに恒例の行動を実行。再びマンガや
   アニメの聖地とも言える、コミックマーケットに赴いたのだ。当然身内全員コスプレをしての
   参加である。

    前回の襲撃事変で、俺達の素性はヲタクの方々には知れ渡っている。コスプレに身を包んだ
   俺達が現れた事で、凄まじい盛り上がりをしだしたのは言うまでもない。それに全力で応える
   身内もまた凄いとしか言い様がないわ。

    まあ警護者の使命とは、周りを支え抜くという事に帰結する。それは全ての事に当てはまる
   ため、この娯楽への参加も1つの帰結とも言えるだろう。ミツキの采配には本当に脱帽する。


    ちなみに不測の事態を想定し、今回は駐車場にトレーラーを待機させてある。内部には俺達
   の獲物が置いてある。今は最低限の武装しか施していない。

    まあ仮に今回も襲撃されたとしても、3大宇宙種族の実力が遺憾なく発揮されるのも間違い
   ないわな。今できる事を最大限行う、これに限る。



ミツキ「見事なレディースパーティーわぅ♪」
ナツミA「前回は手探り状態だったからね。」
    前回は警護者で着用するスタイルで参加したが、今回はマンガやアニメの本編キャラクター
   に扮した形で参加している。詳しい作品は分からないが、1つだけ言えるのは俺の出で立ちに
   関しての苦悩だ。
ミスT「はぁ・・・どうにかならんもんか・・・。」
ミツキ「ウッシッシッ♪ メーテル・スタイルが似合っているわぅ。」
ナツミA「実際の彼女は金髪ですけどね。マスターの場合は黒髪のロンゲですし。」
ミスT「何とも・・・。」
   マンガやアニメで有名な“銀河鉄道999”。劇中に登場する謎の美女メーテルのコスプレを
   着用させられた。本家の彼女も背丈は高いため、俺の性転換状態に打って付けな感じだろう。
   ただ脛の部分まで伸び切っている髪の毛を隠したり染める事はできず、金髪ではなく黒髪での
   流れにはなるが。ナツミAが言う様に、劇中の彼女は金髪ロングヘアーである。
ミスT「で・・・お前達のそれはエムブレか。」
ミツキ「うむぬ、ペガサス三姉妹わぅ!」
ミスT「ミツキがエスト嬢なのは分かるが、カチュア嬢とパオラ嬢は誰よ。」
シルフィア「パオラ嬢は私で、カチュア嬢はナツミAさんよ。ちなみに上官のミネルバ嬢は師匠に
      なるけど。」
ミスT「はぁ・・・ばあさまはミネルバ嬢ね。」
   大規模な娯楽とあって、遠征中のシルフィアとスミエも帰国しての参加となった。彼女が言う
   通り、今回は三姉妹と上官の設定らしい。4人ともショートヘアーやミドルヘアーなため、
   カツラでカモフラージュできるのが強みだろう。

スミエ「ほほ、メーテル嬢ですか。というかTちゃんの名前からしてね。」
ミツキ「む・・・むむっ?! にゃ・にゃ・にゃんとっ! 初めて知ったわぅ!」
ミスT「言わんでいい・・・。」
    俺の名前絡みの事を初めて知ったミツキ。興奮気味になっている事から、実際の俺の名前を
   知らなかったようだ。確かに通例はミスターTで通しているため、それ以外では語った事が
   ない。まあ警護者になった時点で、過去の名前は捨て去ったのだがな。
ナツミA「へぇ・・・そうだったのですか。まあ以前仰っていたように、警護者になられる時に過去
     の歴史は捨て去ったと言ってましたし。今はミスターTのままでよろしいかと。」
シルフィア「そうね。T君はT君でも、ミスターTであり他の誰でもないわ。ただ、本当の名前から
      してネタにされるのも覚悟の上よね。」
ミツキ「本当の名前があってこそのミスターTですから、もっと誇りに思って下さいな。むしろその
    方が張り合いがあると思いますよ。」
ミスT「張り合いねぇ・・・。」
   確かに張り合いは必要だわ。警護者の世界では名前で押し殺す事も可能である。青髪の鬼神
   たるシルフィアの名が、警護者界最強の異名になっているのが1つの事例だ。この部分では
   師匠たるスミエよりも知名度は遥かに高い。
スミエ「思われた通り、シルフィア様の異名は私を遥かに超えていますから。青髪の鬼神を知らぬ
    警護者はモグリそのものです。」
シルフィア「烏滸がましい感じですけどね。」
ミスT「名実共に最強の警護者だわな。」
   一服しながら思う。スミエの戦闘力も絶大的なものだが、一部の警護者にしかその名前は知れ
   渡っていない。対してシルフィアは名実共に最強と謳われる伝説の警護者に至っている。実に
   不思議なものだろう。

    遠縁のスミエが旧伝説の警護者で、恩師シルフィアが現伝説の警護者か。その2人ともに
   縁がある俺は本当に光栄極まりない。名に恥じぬ生き様を示し続けなければな。


    しかしまあ、身内のコスプレ度は凄まじいものがあるわ。全員がスタイル抜群の女性陣で、
   何をしても様になるのだから怖ろしい。ナツミツキ四天王やエリミナ・トーマスM、そして
   俺が野郎なだけだ。他は全員が女性である。

    特にトラガンの女性陣の成長振りが目覚ましい。数多くの戦闘などを経た事から、今では
   それぞれが一騎当千の女傑へと進化していた。当然大企業連合所属の警護者しかり、躯屡聖堕
   メンバーの警護者しかり。誰もが以前よりも遥かに強くなっている。

    何度も思うが、敵側は本当に大損をしている。各襲撃を行えば行うほど、俺達はその都度
   成長を繰り返す。団結力と結束力が高まり、一段と戦闘力が増していくのだ。本当にこちらを
   潰しに掛かりたいなら、最大戦力で攻めてくるべきだわな。まあそれらも跳ね除けるが。



ミスT「この平和がずっと続けば良いのにな・・・。」
    一同の盛り上がる姿を見つめていると、無意識に呟いた。恒久の平和は自然の摂理の概念
   から訪れる事はない。訪れたとしても、それは一瞬の出来事でしかないのも確かだ。
ミスT「・・・だからこそ、戦い続けねばならない・・・か。」
エリシェ「自然とそこに回帰できるなら上出来ですよ。」
ラフィナ「私達の戦いはまだまだ続きますし。」
   懐から煙草を取り出し、自然と一服しようとした。すると間隔空けずに火を差し出してくれる
   エリシェ。ラフィナと共に何時の間にか傍らにいたのだ。しかも2人が着用し演じるコスプレ
   も凄い。シュームも実戦で扱うスタイル、ゲームは“ベヨネッタ”のベヨネッタ嬢とジャンヌ
   嬢である。
ミスT「へぇ・・・バトルスーツとあまり変わらないわな。」
エリシェ「今回はかなり冒険しましたよ。」
ラフィナ「劇中のお2人は髪の毛を魔力で衣服に変化されていましたね。まあ実際には無理ですが、
     仰る通りバトルスーツに手を加えれば問題ありません。」
ミスT「何時もはメイド服風な姿が多いからな。後はフォーマルスーツか。」
   実際にエリシェやラフィナが着用するのはスーツである。しかもスカートではなくズボンで、
   その出で立ちでも十分戦闘ができるようにとの配慮だ。

エリシェ「あの航空機事変から、フォーマルスーツに銃弾を通さない様に改良をしました。」
ミスT「俺が普段から着用しているコートの応用だったな。それにボディスーツもそれに当たる。
    マグナムの弾すら貫通しないし。今は一番強力なマグナムの弾すら貫通しないようにしたと
    聞いているが。」
ラフィナ「バイオ5でも出ている“S&W M500”ですね。劇中ではロケランを除いて最強の
     攻撃力を誇っていますし。まあそれすらも貫通させません。」
    ゲーム“バイオハザード5”または“バイオハザード5 オルタナティブ・エディション”
   でも登場するマグナム“S&W M500”。現物の反動が凄まじ過ぎて、安易に撃った場合
   の持ち手の人体への保証はしないと言う添え書きがある程だ。劇中でもその反動から連射は
   できず、正に一撃必殺の代物と言える。
ラフィナ「むしろ最近は弾薬を電磁加速させて射出するのも貫通させないように試みていますし。」
ミスT「物理的なレールガンねぇ・・・。」
エリシェ「火薬では限界がありますからね。電磁力は火薬を超える速度を叩き出せますし。もし光の
     速度で射撃できる獲物があるなら、それこそが最大最強の兵器でしょう。」
ミスT「地球人の技術力だと無理だわな。」
   怖ろしい事をするものだ。電磁加速された弾丸を止めるというのは、もはや正気の沙汰とは
   思えない。もし貫通させないにせよ、人体への影響は計り知れない。化け物のような話だわ。

    電磁加速装置ことレールガンは2通りのタイプがある。1つは従来通りの実弾を電磁加速
   させて射出する手法。これが一般的で実用的とも言える。今の地球の技術力なら、実弾系の
   レールガンなら辛うじて作れるだろう。

    もう1つがエネルギーを電磁加速させて射出する手法だ。3大宇宙種族が十八番とする実質
   最強の兵器である。超大出力レールガンだと月はおろか、地球以上の岩石惑星すら一撃で破壊
   するというから怖ろしい。過去にミュティナが出したくなかったと言う理由が痛感できる。

    ファンタジー要素で例えるなら、物理的攻撃か魔法的攻撃かになるか。前者の実用的な感じ
   のレールガンですら、核兵器を凌駕する超絶的な火力を誇っている。それでいて放射能を出さ
   ないとあるため、一部の国家は血眼になって技術獲得に暗躍している。

    もしそういった愚物が後者の空想的なレールガンを手にした場合、地球全国家を支配できる
   力を持つに至るだろう。核兵器を超越する獲物だ、抑止力としては申し分ないレベルだしな。

    まあ間違っても愚物への技術提供はないわな。悪役を演じていたヘシュナですら、その力の
   意味合いを心得て動いていた。自然的に善悪判断を行う要因を施したため、愚物には絶対に
   扱えない力となる。バリア・シールド・反重力機構などがそれだ。

ミスT「・・・同じ地球人が嫌いになりそうだわ。」
エリシェ「はぁ、また自己嫌悪ですか。ただ、思われていた様相には私も自己嫌悪に陥りたい気分に
     なりますがね。」
ラフィナ「相手を凌駕する力を持てば、一方的に優勢に立てると。現に核兵器を超える火力を持つ
     兵器となれば、地球の覇権を争う存在には打って付けですよ。」
ミスT「地球に住ませて貰っている事を忘れるカス共め・・・。」
    腑煮え繰り返る思いだわ。あれから調査で分かった事だが、黒服連中と軍服連中の出所は
   世界各国の国家が絡んでいた。だから際限なく無人兵器群が出てきた訳だ。でなければ一部の
   戦闘集団だけでは成し得ない戦闘力である。
ミスT「ヤッカミも踏まえての流れも起きそうだな。」
エリシェ「既に出ていますがね。南極事変のそれが極みとも言えますよ。」
   俺だけではなく、エリシェも怒り心頭な感じになっている。強引に煙草セットを奪うと、何と
   一服しだしたではないか。しかも傍らにいるラフィナも一服しだしている。この2人も煙草を
   吸っていたのには驚きだわ。

エリシェ「あー、これですか。マスターとお会いする前からですよ。相当なストレスがあった時しか
     吸いませんけど。」
ミスT「お前達の双肩には凄まじい重圧が掛かっている、か。」
ラフィナ「この場合は若さ故の過ち、とも言えますけどね。」
ミスT「ハハッ、違いない。」
    一服しだすと途端に落ち着きを取り戻すエリシェとラフィナ。この様相から本当に怒り心頭
   となった場合は、問答無用に喫煙をしていたようである。しかも咽せない所を見ると、かなり
   慣れていると言えた。
ミスT「・・・俺達の目が黒いうちは、総意を不幸にさせないわな。」
エリシェ「心から同調します。そのための各々の力ですから。超越的な力でも、間違った方に使わな
     ければ大いに役立ちますよ。」
ラフィナ「頑張らないといけませんね。」
   コスプレ姿で一服している2人が新鮮なのか、自然とヲタクの面々が集まってくる。それに
   煙草を消すも、着火していない煙草を持つ姿で撮影に応じだした。確かに着火している煙草は
   危な過ぎる。それに人混みを離れて一服していたため、禁煙問題に引っ掛かりそうだ。

    面白いのがエリシェとラフィナに人混みが集中している事だろう。俺の方には見向きもして
   いないのが何とも。まあ中身は野郎故に、その雰囲気が自然と出ているのかも知れないな。
   ここは2人に任せて散策するか。

    中半へと続く。

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