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アーマード・コア ロストナンバーレイヴンズ(アーマード・コア編) 第1部 18人の友情 「大破壊」と呼ばれる最後の国家間戦争によって人類は地上からその姿を消した。 災厄を生き延びた僅かな人々は破壊されつくした地上を捨て、その住処を地下へと 移していった。膨張した人口を支えるべく各地に建造されていた地下都市が人類に 残された大地となったのである。人はその始まりの時と同じく、自らの過ちによって 楽園を失った。 ・・・半世紀後、人類は再び繁栄を迎えていた。「国家」という概念はすでになく、 それに代わって人々を導きあるいは支配したのは「企業」だった。自由競争の名の もとの苛烈な競争の原理は世界を急速に回復させたものの、それに伴う歪みもまた 確実に増大していった。貧富の格差・テロリズムの横行・人種差別・・・、人類が 生み出した壁はなおも消えずにいた。支配者となった「企業」はより強い権力と金を 求め、そこに争いが絶えることはなかった。企業がすべての力を握る世界、ただ 一つの例外を除いて・・・。報酬によって依頼を遂行し、何にも与しない傭兵・・・ 彼らは「レイヴン」と呼ばれていた。 ~プロローグ レイヴン誕生~ アイザック・シティ郊外にある小規模企業吉倉財閥、ここに一人の跡取りが生まれた。 吉倉天城・・・そう名づけられた子供は生まれつき特殊な力を持っており、親はもちろん 周りの人間からも驚きの声があがっている。それは彼がまだ0歳というのに言葉を喋った からだった。その後時が経つごとにその驚異的な能力が目覚め、5歳の時にはMTを 動かせる程になる。その驚異的な力を自分のものとはまだ気づかず、天城は15歳まで 普通の生活をしていた。 そして・・・運命の日が来てしまう・・・。 その日天城が学校の研修を終え帰宅すると、あるものを見て頭の中が蒼白になる。それは 家族の無残な死体であった・・。認めたくなくとも今自分が目撃しているものは、絶対に 覚める事のない現実。天城は家族を殺した者に思われないように、自分一人で生活できる だけの資金と道具を持ってその場を去る。だが彼には行く所が無かった。その後転々と 地下都市内をさ迷う事半日、ある企業の外部宣伝モニターに目が釘付けになった。 “午後過ぎ、アイザック・シティー企業吉倉財閥の家族が何者かによって射殺。犯人は その場に死体がなかった長男吉倉天城15歳と考えられ、現在指名手配中・・・。” 現実はあまりにも厳しく残酷だった。天城は殺してもいない家族の殺人犯として無実の罪を 着せられてしまったのだ。天城は現実の厳しさ・無力さを嫌というほど思い知らされ、 逃げたい気持ちでいっぱいだった。だが父のよく話してくれた言葉を心に思い浮かべる、 “どんな時もうろたえるな、気を強くもて。そして今の時を大事にしろ”と。アマギは それを思い浮かべ、自分自身を半ば強制的に安心させた。そしてその場を去ろうとする 天城自身の耳にある音声が流れてくる。音声の先は外部宣伝モニターで、天城はふともう 一度モニターを見上げた。その瞬間、天城の運命が変わる。彼が目撃したものは老若男女 問わず誰もが知っているという、有名かつ恐怖の現最強ランカーAC。赤と黒のカラーが 印象強い最強ACナインボールであった。 “レイヴンか、俺もレイヴンになりたい。・・・そして家族の仇を討ちたい・・・。” 天城はこの時これから一人で生きていく為・・・そして無念の死を遂げた家族の仇を討つ 為の最善手段、強い自由な力を持つレイヴンになる事を心の中で固く決意するのだった。 ・・それから半年後、天城は念願のレイヴンになる。彼は生きる目標と家族を殺害した仇を 探す為日々戦い続けた。そして・・・彼はその目で今、世界で何が起きているのかを見る。 ・・・更に半年後のある日、その時は来たのだった・・・。 第1話へ続く |
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